専門店EC向けのシステムで5万店の実績を持つEストアー。時代とともに変わる消費環境のニーズをつかみ、専門店型ECに適したシステムを提供する石村賢一社長に経営戦略を聞いた。

スマホ時代に対応し大手から個人までユーザーを拡大

株式会社Eストアー 代表取締役 石村賢一 (いしむら・けんいち)

株式会社Eストアー
代表取締役
石村 賢一 (いしむら・けんいち)

 ここ数年、中国人観光客による“爆買い”の恩恵を受けてきた百貨店業界。しかし、昨年後半からの爆買いの急減の影響は大きく、業態としての百貨店の先行きに不透明さが増している。

 「小売業と同じで、これからのECもコンビニエンス型、専門店型、イベント型が生き残る業態と考えています。何でも揃う百貨店型、価格が安いだけのディスカウント型は、リアル店舗と同様にEC市場から淘汰されていくでしょう」と、語るのは専門店型EC向けのシステムで国内シェアナンバーワンのEストアーの石村賢一社長。

 コンビニ型ECは、自社倉庫による商品管理と迅速な物流網が必要で、先行する大手EC会社の寡占状態にある。イベント型は、店舗と商品の楽しさや空気感に集まる人気のセレクトショップに多く、実店舗がメーン。その中で、自社サイトを本店として直販を行う専門店型は、大手から中小企業、そして個人までその店舗数は増えている。 

 「その理由は、購入方法がパソコンからスマートフォンへ、購入層も昭和から平成世代へシフトしてきたECの消費環境の変化にあります。平成世代は価格よりも品質、スピードよりも安心を重視、スマホの小さな画面では検索が面倒な大量の品揃えより選りすぐりの品揃えを好みます。今後、大手ECモールで手間と時間をかけて探すよりも自分の好みをあった専門店型ECからスマホで購入する傾向は、ますます顕著になってきます」

 同社の強みは創業以来、専門店型向けのECシステムに特化してきたことにある。ECに必要な「調査分析・戦略設計・システム・集客代行・制作代行・運営代行」のバックヤードのノウハウを19年にわたって蓄積し、特に品質管理が大事な食品、商品の信頼性が要求されるアパレルで高いシェアを持つ。ユーザーも大手企業から地域密着の商材を販売する地方企業、自ら海外で商品を買い付けて販売する主婦まで幅広いのも特徴である。

 「当社はECに関するバックヤードの“丸投げ大歓迎”です。最近では以前ECに失敗した大手企業から“丸投げ”の引き合いが増えています。ECが始まった当初は、ノウハウがないまま試行錯誤で運営するしかなかったのですが、今は“丸投げ”で再チャレンジする企業も目立ってきました。スマホ時代や平成世代に対応するためにもバックヤードは当社に任せて、商品企画、顧客管理、顧客とのコミュニケーションに専念することで本業との相乗効果も出ています」

 時代や消費の変化に合わせて最適なシステムを提供する同社。専門店型システムでナンバーワンの理由はその対応力にある。

時代を先取りし、いち早く「ビットコイン」にも対応

 昨年6月、同社のEC通販システム「ショップサーブ」において仮想通貨「ビットコイン」による決済の導入を決定。ECプラットフォームを提供する会社としては日本初である。

 「インターネットは、中間省略と中央業者不在という構造となっています。この構造によって情報や商品、購入の流れが大きく変わり、急速にネット社会が発達してきました。しかし、代金決済は旧態依然の中央業者方式がネット上で動いているだけ。これに対してブロックチェーン構造の『ビットコイン』はネットと同じ中央業者不在です。その安全性の証明と担保からみても産業構造にネット以上の影響があり、近い将来にはECの決済方法としては当たり前になると考えています」と、石村社長はビットコインを導入した理由を説明する。

 ビットコインは、ECの運営者と利用者にとってもメリットが多い。既存の中央業者である銀行、クレジットカードの手数料より低コストでパソコンやスマホで決済でき、爆買いの次にきている“越境EC”で利用すれば通貨に関係なく、世界各国との取引も可能となる。また、マイクロペイメントという少額決済によって新しいサービスも生まれている。

 「通貨や株が経済状況でレートが変わるように、ビットコインも利用できるECサイトの人気や信用の度合いでレートが変わるのです。つまり、人気のサイト、信用できるサイトほどレートが高くなります。運営者の努力と工夫が反映される専門店型の決済方法としてもビットコインが適しています」

 時代の変化だけではなく、時代に先駆けるEストアーは、「ビットコイン時代」に向けてすでに準備ができている。

 

株式会社Eストアー

  • 設立/1999年2月
  • 資本金/5億2332万円
  • 売上高/57億2000万円(2016年3月末現在)
  • 従業員数/221名(2016年3月末現在)
  • 事業内容/ECサイト構築、マーケティング支援
  • 会社ホームページ/http://Estore.co.jp/

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