オンラインギフト、プリペイドカードのビジネスで国内ナンバーワンの導入実績を持つ。導入企業のブランディングやプロモーションを支援。ハウス電子マネーの発行に必要な要素をワンストップサポートする。

 最先端技術ではなく汎用製品で顧客囲い込みの最適解追求

尾上 徹・バリューデザイン社長

尾上 徹・バリューデザイン社長

  プラスチック製磁気カードを使用したセンター管理型のプリペイドカードの仕組みを提供し、導入企業のブランディングやプロモーションを支援する。ICカードだと専用の読み取り機が必要になるが、プリペイドカードは磁気読み取りのため、レジに付いているクレジットカードの読み取り機能を利用できる(POSの改修は別途必要)。バリューデザインが展開する「バリューカードASPサービス」は決済端末を導入してもコストが5万円程度のため、導入実績は業界ナンバーワンの357社、海外を含め1万207店舗。同社のプリペイドカードの年間発行額は約500億円、今期は約1千億円の発行を見込む。モスバーガー、上島珈琲店等の飲食店を中心にラッシュジャパン(コスメ)、ゾフ(メガネ)、伊東屋(文具)、などが導入している。現在、スーパーマーケットやドラッグストア業界などでも急速に導入が進んでいる。

 設立は2006年7月で8期目に入ったところだが、大日本印刷やサイバーエージェント、SMBCベンチャーキャピタルなどが主要株主に名を連ねている。

「設立当初の2〜3年は導入社数を増やすために営業しても、なかなか売り上げが伸びず苦労しました。株主からは、1店舗のところも100店舗のところでも使うリソースは同じなのだから、大口だけを狙えばいいじゃないかと言われましたが、それができるのなら苦労はしません(笑)。例え1店舗のところでも、1店舗なりの成功事例になるし、逆に失敗事例もその裏返しをすれば成功の可能性があります。そうやってどんどん事例を積み上げてノウハウを貯めてきました」

 尾上徹氏は前職のJCBで新型の電子マネー「クイックペイ(QUICPay)」の担当をしていた2000年の夏に、フランスのカンヌで開かれた携帯電話の展示会で、たまたま1枚のカードを拾う。

「マスターカードのマークが付いていたので、最初はクレジットカードかなと思いましたが、よく見ると裏に黒い磁気線の入ったプリペイドカードでした。電子マネーは、カード決済専用の端末を店舗に設置しなければ使用できません。ところがクレジット端末なら、多くの店で導入されています。先端技術にこだわるのではなく、既に流通しているインフラを活用するほうがいいのではないかと思いました」

 帰国後、JCB社内で提案したが、全社を挙げてクイックペイの事業化が決まっていたため、尾上氏の考えが受け入れられることはなかった。そこでプリペイドカード事業を仕事の関係があったベンチャー企業に紹介し、アドバイスを行うことにした。その後、この会社からの〝ラブコール〟があり、周囲の反対を押し切って転社するが、ライブドアショックのあおりで営業不振に陥る。そこで尾上氏は独立し、カード事業を行うバリューデザインをスタートさせた。

 バリューカードは、発行した店舗やチェーンで商品券のように使えるギフト用のカードであるとともに、電子マネーやプロモーションツールとしての機能も持つ。導入企業にとっては単なる決済手段ではなく、顧客を囲い込むツールでもある。「ハウスギフトカード」と呼ばれるもので、米国では既に発行額40兆円を超えている。特徴は、カードの発行者がカード会社ではなく、各導入企業であることだ。カードにチャージされた時点で、その金額は企業の売り上げ予備軍になる。バリューカードは、バリューデザインが残高などの情報を管理し、カードの制作も行う。さらに、各社が発行しているカードを集め、ショッピングセンターやコンビニ、家電量販店などで販売を行う「ギフトカードモール」の展開を発行会社に積極的に勧めている。カードを発行している店舗は、自店舗以外で集客や商品を販売するチャネルとなる。

 

クレジット会社との取り組みを開始、アジア展開も加速中

 

 新たな取り組みとして同社が始めたのが、クレジット会社との取り組み。VISA加盟店で利用が可能なブランドプリペイドカード事業を開始した。年間約1千万枚のカード発行を見込む。アジアへの展開も積極的に行っている。中国・上海、韓国でサービスを開始しており、今後はシンガポールを拠点とし、アジアへの展開を加速するという。

「カード先進国の米国では、VISAのプリペイドカードで従業員の給料や損害保険の保険金支払い、政府の税金還付などにも使われています。給料支払いの際は、カードにチャージの情報を送りますが、実際に現金を引き出すまでは会社の口座にお金が残ります。つまりその間の金利が付くメリットがあります。また日払いのアルバイトの給料支払いのために、営業所に現金を用意しなければならない、といったことも必要なくなります」

 フィーチャーフォン、スマートフォンを使った「モバイルギフトカード」の展開も始めた。だが、

「まずはカードを広め、何枚も持つのが面倒だという人にスマホでの対応を提案するというステップが重要です。顧客の囲い込みにはどのやり方が一番ローコストで便利かを考えると、カードというモノがあれば、今日から使えるお得なカードですと言うほうが説明しやすい。これからも日本流の新たなカードの使い方の提案をしていきたい」

 売上高6億3千万円で営業利益6300万円。今期はそれぞれ10億円、4千万円を見込む。

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