ふとんクリーナー「レイコップ」。これを手掛けるレイコップ・ジャパンの李誠晋社長は、内科医師のときにアレルギーに悩む患者を思いやる心から、この商品を思い付いた。天日干しよりも布団をきれいに保てるというこのユニークな商品は、今や全世界で累計250万台を売るヒット商品になった。

李 誠晋・レイコップ・ジャパン社長

李 誠晋・レイコップ・ジャパン社長

レイコップ・李誠晋氏は語る 医師として助けるよりも多くの人を助けるために

 世界24カ国での累計販売台数が250万台、日本でも1月末までに100万台を突破した、ふとんクリーナー「レイコップ」。製造販売を手掛けるのが、レイコップ・ジャパン。李誠晋社長は、韓国の翰林大学医科大学で医学博士号を取得した後、内科医師として同大学江東聖心病院に勤務。2000年に韓国の延世大学経営大学院で修士号、02年には米デューク大学でMBAを取得。米ジョンソン&ジョンソン社に05年まで勤務の後、韓国BUKANG SEMS社に入社してCEOに就任。12年2月に日本支社(現レイコップ・ジャパン)を立ち上げた。

「韓国で医師として働いていた際、アレルギーで悩まされる患者が多かった。アレルギーの原因となるハウスダストを取り除く機器を開発すれば、1人の医師として助けるよりも多くの人を助けられる。布団は天日干しが必要。しかし、住環境やPM2・5などの影響で、外に干すことができないケースも増えています。レイコップは、紫外線を発するライトで布団を照射し、駆動部分を使って布団を強くたたき、ダニを布団の繊維の中から追い出して強い力で吸い上げます。3分で90%以上のハウスダストを除去できます」

 07年から世界で発売し、日本では08年に販売を開始したが、苦戦。前例のない商品なので消費者に丁寧に説明すべきだったが、販売代理店に任せていたためだ。そこで日本支社を12年2月に設置し、何でも除菌できるUV機能付き小型クリーナーではなく、用途を布団に絞り込み、ダニがどのように生息してハウスダストになるのか、天日干しだけでは問題解決しないことも含め、布団周辺の現状を、時間をかけて丁寧に説明、13年に入ってからヒット商品となっていく。その背景には、通販番組やテレビ番組でハウスダストの実情とふとんクリーナーの重要性をアピール。家電量販店とタッグを組み、専用コーナーを設けて実際に使い勝手を試せるようにした作戦が当たった。

「無名の韓国メーカーでしたから、実際にハウスダストが取れるところを見て納得していただきながら少しずつブランドを構築してきました。イラストを多用した詳細なマニュアルも日本向けに製作しました。日本の消費者の声も、非常に参考になっています。私は今でも経営者というより、医師が患者を思いやる気持ちで仕事に取り組んでいます」

 李社長は1週間のうち日本に数日滞在し、残りは世界を飛び回っている。

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