化粧・服飾雑貨の卸として60年以上の歴史を持つSHO−BIは現在、ファブレスメーカーに発展した。一気通貫の強みを生かしながらコンタクトレンズ部門への進出など、業容は拡大し続けている。今後の戦略を聞いた。(聞き手=本誌編集委員/清水克久)

 

企画、製造から卸、売り場展開まで一気通貫の強み

-- まず御社の概要をお聞かせください。

コスメコンタクト(R) の主力商品・ピエナージュ 販売名:キュートビュー1 医療機器承認番号:22200BZX00889A04

コスメコンタクト(R) の主力商品・ピエナージュ
販売名:キュートビュー1 医療機器承認番号:22200BZX00889A04

寺田 1948年の創業当初は櫛やブラシ、パフなどの化粧道具を取り扱う装粧品の1次卸でした。その後、GMS(総合スーパー)が成長し、当社も直接GMSに商品を卸す2次卸に移行しました。しかし、今から約40年前に〝卸問屋不要論〟が巻き起こり、その時に先代の寺田一郎社長(現会長)が、メーカーをつくったのです。その後、地域販社なども併せて子会社を統合し、卸機能もあるファブレスメーカー(工場を持たないメーカー)として生まれ変わったのです。

 私が入社した10年ほど前は、メーカーとしての売り上げはまだ全体の20%程度でしたが、今では60%を超え、利益率も30%を超えるようになりました。

-- 競争が激しい業界の中ですが、御社の強みは。

寺田 卸から始まったメーカーという特色を生かして、商品の企画から製造、卸、売り場づくりの提案から販売の提案まで、一気通貫で実行できることです。商品アイテムが多く、それもころころと商品が入れ替わっていく業界なので、リテーラーは自社の売り場の管理だけでも大変です。でも当社は商品供給だけでなく、売り場づくりもできるので、リテーラーは化粧雑貨の売り場を当社に丸投げできるのです。これはメーカー機能に加えて、卸の販売力、それに売場を抑えている当社にしかできないことです。化粧雑貨の業界は、非常にニッチな業界です。その中で生き残り、2009年にジャスダック市場に上場(その後、東証2部に上場し、11年に1部に指定替え)ができたのはこういった強みがあるからです。

-- 長引いたデフレ経済の中で低価格競争に巻き込まれて苦しかったのではないですか。

寺田 単なる卸売業者だったら厳しいでしょうが、当社は川上から川下まで一気通貫で商売ができるだけに、価格対応は比較的容易でした。全国の1万5千店の店舗に商品を卸していますが、この分野での販売力は日本一。それだけの販売力があるので、大手小売会社のPB(プライベートブランド)よりも工場への発注ロットは当社のほうが大きいのです。だから競争上、優位の立場で安くて良い物を提供できるのです。

 昨年まで10期連続増収増益で、売り上げだけを見れば13期連続で増収です。厳しい環境下にもかかわらず業績が伸びたのは、委託生産する100社以上の協力工場があり、自らが管理する売り場を多数、持っているからです。卸とメーカー機能を持ち、そして売り場も任されているので、消費者のニーズを的確につかむことができ、マーケットインの発想で数多くの自社企画商品が生まれました。

 

〝コスメコンタクト(R)〟の新カテゴリーを投入

-- 現在の売れ筋商品はどのようなものでしょうか。

寺田 少し前まで、つけまつげが爆発的に売れました。今も、つけまつげだけで数百を超えるアイテムがありますが、商品は相当入れ替わり、最近は大人になっても使えるナチュラルなものが増えています。流行り廃りがあっても、つけまつげは高位安定しているイメージですね。さらに、近年、売り上げが伸びているのはネイル関係です。

-- 化粧雑貨マーケットの将来性はどうですか。

寺田 今の商品展開だけであれば、今後の伸びは鈍いでしょう。しかし、今までの中心顧客だった10代から20代の女性顧客の年齢層が上がっていくにしたがって、それにふさわしい商品を提供すれば、市場を広げることができます。例えばアンチエイジング関連の商品も最近は増えています。また、化粧の低年齢化も進んでおり、これまでよりも年齢が低い層をターゲットにした商品展開も考えています。もう1つ、コンタクトレンズも新たな市場開拓の1つですね。

-- 昨年、コンタクトレンズメーカーのメリーサイトを買収し子会社化しましたね。

寺田 コンタクトレンズは海外メーカーが圧倒的に強いのですが、当社はカラーコンタクト、それも度付きのワンデーを主力とし、メークとのコーディネート提案をすることで、差別化を図っています。〝コスメコンタクト(R)〟として、目もいろどりしましょうという提案です。以前は度が入っていないカラーコンタクトが圧倒的で、度付きのものは多くありませんでした。コンタクトレンズ業界も価格競争が激しいのですが、当社が〝コスメコンタクト(R)〟と呼んでいる縁だけに色を付けたレンズは非常に市場が伸びています。そこにアイメークとのコーディネートという新しい提案をしていきます。

-- 今後の目標は。

寺田 まず30年までに海外売り上げ500億円を含めて売り上げ1千億円、経常利益100億円を達成したいですね。上場したとはいえ、まだまだ小さな会社です。それを盤石と言われる会社にすることが当面の目標です。

 

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寺田正秀(てらだ・まさひで)

1977年生まれ。兵庫県出身。2001年慶応義塾大学法学部卒業。同年みずほ銀行入行。04年粧美堂(現SHOーBI)入社、専務就任。中国子会社董事長などを経て、13年12月から現職。

 

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