文系総合大学として、仏教教育にとどまらず、豊かな人材育成に力を入れている。伝統ある仏教学部のほか人間学部、文学部、表現学部の文系4学部を設置し、時代の要請に応えるべく多彩なカリキュラムを組んでいる。現状と今後の運営方針を聞いた。 聞き手/本誌編集委員・清水克久

杉谷義純(すぎたに・ぎじゅん) 1966年慶応義塾大学卒業。72年大正大学大学院博士課程満期退学。天台宗宗機顧問会会長(現職)、文科省宗教法人審議会委員。学校法人大正大学常任理事を経て2009年から理事長。

杉谷義純(すぎたに・ぎじゅん)
1966年慶応義塾大学卒業。72年大正大学大学院博士課程満期退学。天台宗宗機顧問会会長(現職)、文科省宗教法人審議会委員。学校法人大正大学常任理事を経て2009年から理事長。

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-- まず、御校の特徴をお聞かせください。

杉谷 本学は1926(大正15)年に天台宗、真言宗豊山派、智山派、浄土宗の4つの宗派が合同で設立した大学です。本学創立以前は、各宗派がそれぞれ独自の教育機関を持っていたのですが、宗派の枠を越えた仏教の連合大学を設立しようと力を合わせたのです。全国各地に仏教系の大学はいくつもありますが、このような経緯を持った大学は珍しいと思います。

 かつては寺院の後継者育成を主な目的としていましたが、現在は文科系4学部の大学として社会で存在感がある人材を育成し、人間としての完成度が高い学生を送り出すことを主目的としています。

-- 仏教を基礎とした教育面での特徴とは何ですか。

杉谷 教育の根底には大乗仏教の精神が流れており、「智慧と慈悲の実践」を建学の理念としております。大乗仏教における智慧とは、我執を離れてものごとの在り方を正しく見ることを指し、慈悲とは生きとし生けるものに対して平等な気持ちを持つことです。この建学の理念を現代的に分かりやすく表現したものが「4つの人となる」です。

 4つとは「慈悲・自灯明・中道・共生」のことで、これを教育ビジョンとしてカリキュラムを構築しています。「慈悲」とは、生きとし生けるものに親愛のこころを持つことです。さらに真実を探究し、自らを頼りとして生きる「自灯明」、とらわれない心を育て、正しい生き方ができる「中道」、共に生き、共に目標達成の努力をする「共生」、これらが教育の基本理念です。

きめ細やかな指導で学生満足度も高い

きめ細やかな指導で学生満足度も高い

-- ステークホルダーからの期待、信頼、満足度で首都圏文系大学ナンバーワンを目指すという意味は。

杉谷 偏差値や学生数などでナンバーワンを目指すのではなく、学生をはじめとするすべてのステークホルダーからの期待に応えることが重要です。それによって大学への信頼が高まり、学生に、この大学を選んで良かったと満足してもらうこと。それに保護者や卒業生の就職先、地域社会なども含めたステークホルダーに対して大学は社会的責任を持っているので、これらを「TSR」(大正大学・ソーシャル・レスポンシビリティー)ととらえて、大学運営をしています。
 有名、難関大学の学生は、得てしてその大学に入学することを目的化してしまう傾向がありますが、本学では大学での学び、成長を重視して、知識だけではなく人間として完成度が高い学生を育てることをとても大事にしています。

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