視点
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[視点]
硬直的な競争政策が地方を衰退させる――冨山和彦(経営共創基盤CEO)
ふくおかFGと十八銀行は、2016年2月に経営統合を発表した。しかし公正取引委員会(公取)の審査が長期化している。公取は、経営統合により寡占化が進むと、長崎県内での「競争」がなくなり、借り入れをする事業者が高金利を余儀なくされると問題視している。 しかし、今どき経営…
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[連載] 視点
中期計画は「ロシア式」ではなく「Dreams Come True!」で
会社の経営に携わるようになってから四半世紀を越えるが、中期計画というようなものをつくったことがない。無論、中期5カ年計画というようなものをつくって経営を進めておられる会社と経営者を批判しようというものではない。ただ、概して中期計画は、つくるのに莫大な時間と労力、…
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[連載] 視点
全要素生産性(TFP:Total Factor Productivity)の向上
先日当欄で、茂木友三郎さんが、生産性向上の必要性について触れておられた。2014年6月、新たに日本生産性本部会長に就任された茂木さんを、私も関西生産性本部会長としてお支えするひとりだが、生産性の向上について、もう少し話をしてみたい。 14年末の総選挙により、…
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[連載] 視点
ニッポンのモノづくりビジネス生き残りへの覚悟
グローバル化の進展によって、日本のモノづくり現場は、一方で新興国の安価な労働力、他方で欧州などの高付加価値なモノづくりとの競争に直面している。また、程度の差こそあれ、多くの分野で水平分業化が起き、産業のバリューチェーン上の位置付けを誤ると、一生懸命モノづくりに励…
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[連載] 視点
生産性向上の必要性
今年の6月に、日本生産性本部の7代目会長の任を仰せつかった。 日本生産性本部は来年3月に創立60周年を迎えるが、今まで企業、労働組合、そして学識者の3者構成による生産性運動を推進するための組織として、日本経済の発展、そして国民生活の向上のために活動してきた。…
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[連載] 視点
創造型需要が牽引するプラチナ社会
最近、どの地方に出掛けても、わが町は空き家率が高く問題であるといった話になる。2013年の日本の空き家率が13・5%。つまり、総住宅数6063万戸に対し820万戸もの空き家が存在する。空き家は、朽ち果てたまま放置すると、防犯や防災、環境面で問題の種となる。一方で…
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[連載] 視点
カルビー流棚卸しと仕分けのやり方
先の民主党政権の際、センセーショナルな〝仕分け〟が話題となりテレビでも連日その模様が放映された。仕分けそのものは決して否定しないが、政権のスタンスには大きな疑問があった。即ち、「自民党のやってきた55年体制のすべてが悪い、民主党政権はそのすべてをいったん否定した…
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[連載] 視点
「フェアトレード」とは
英語のエコノミー(economy)を「経済」という日本語に訳したのは福沢諭吉だといわれている。経国済民、すなわち、国を経め(おさめ)民を救うという中国の言葉がもともとの語源だが、その意味するところは、国を構成する国民がお互いに信頼し合い、その国特有の慣習、伝統、…
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[連載] 視点
女性管理職の数値目標
9月3日、第2次安倍改造内閣がスタートした。大臣18人枠のうち女性5人を起用し、女性活躍推進担当大臣まで置くという、女性シフト内閣だ。 日本再興戦略では、リーダー的立場に占める女性の割合を2020年までに少なくとも30%程度にまで高めるという目標を掲げている…
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[連載] 視点
グローバルベンチャーは1日にして成らず
ベンチャー企業の育成はアベノミクスの成長戦略の柱の1つであり、「開業率を5%から10%に」という目標と共に、「ベンチャー」という言葉が取り上げられることが多くなった。 ところが、どんなベンチャーを育成拡大したいのかはあまり語られない。グーグルのようなグローバ…
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[連載] 視点
成長戦略への期待
先頃、アベノミクスの第3の矢である経済成長戦略の新たな部分が、「日本再興戦略」の改訂版として発表された。 昨年打ち出された「日本再興戦略」において積み残された課題に対し、一定の前進があったと評価されている。 まず、税制改革については、国・地方を合わせた法…
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[連載] 視点
にいまる・さんまる一番乗り!
「ダイバーシティをやっていないのは日本とパキスタンくらいだ。パキスタンには宗教上の理由があるそうだが、日本にはそんなものはない」 2001年のグローバルの会議で突然私の直属の上司だったビル・ディアスタインが多くの参加者の前で吠えた。当時私はジョンソン・エンド…
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[連載] 視点
「課題解決先進国」日本
おもてなし、もったいない、KAWAII(かわいい)、そしてオタク文化。言わずと知れずこれらは、日本を世界に発信する最近のキーワード例である。「おもてなし」や「もったいない」はともかく、KAWAIIやオタクといった日本の現代文化が、ファッション、アニメなどの分野で…
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[連載] 視点--大坪清(レンゴー会長兼社長)
Lの時代、はじまる
2014年は「Lの時代」の出発の年となりそうだ。安倍総理の獅子奮迅(Lion)の活躍で、日本を取り戻すことができつつある。そして今、最も熱いLといえば、Linear motor carと言えようか。 ご承知のとおり、東京、名古屋間で2027年の開業を目指し、…
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[連載] 視点
人手不足下の経営努力
人手不足がはっきりと経営の足枷となってきている。アベノミクスによって経済が拡大しても、それを売り上げや利益の拡大に結び付けられないという深刻な事態だ。 アルバイト・パートの不足は、新聞紙上を賑わせているとおりである。特に小売業や飲食業では、営業時間を短縮する…
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[連載] 視点
勝者のメンタリティー
6月13日、サッカーのワールドカップ・ブラジル大会がいよいよ開幕する。 過去4回の出場を経験して、ここ数年は日本代表においてもワールドカップでの目標を「優勝」と公言する選手が増えてきた。世間には鼻白む声もあるが、勝負の世界で世界に臆さない姿勢は結構なことである。…
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[連載] 視点
対外発信力の強化を
日本の対外発信力を強めるべきとの声が、最近特に大きくなっている。 その背景として、歴史認識についての日本の立場や考えが、世界に十分に伝わり、理解されているようには思えないということがある。中国や韓国と比べて、わが国は発信力が弱いのではないだろうか。中国や韓国…
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[連載] 視点
人類史の転換期を生きる
アベノミクスの効果が、次第に実体を伴いつつあるようだ。 日銀短観(2014年3月)によれば、業況判断指数は、大企業を中心にリーマンショック以前の水準に戻りつつある。また、その効果は中小企業にも及んでいる。一方で、世界的なデフレ懸念は払拭されておらず、国内的に…
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[連載] 視点
コミットメント&アカウンタビリティ
選挙は一般的には政党、もしくは候補者の公約からスタートする。最近では、それをマニフェストと呼ぶ。 しかし、その公約が実行されることはまれであるし、そもそも実行する気などないのでは、と思ってしまう。 フランス元大統領のシャルル・ド・ゴールはこんな言葉を残し…
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[連載] 視点
宝塚歌劇100周年
2014年4月5日の土曜日、宝塚歌劇100周年記念式典が兵庫県宝塚市の宝塚大劇場で開催された。まずもって関係者各位にお祝いを申しあげたい。 ビジネスの世界に長年携わってきたので、歌劇のような芸術にはやや疎かったが、孫娘が宝塚音楽学校に入学して以来、宝塚歌劇に…