筆者の記事一覧

小幡績(慶応義塾大学ビジネススクール 准教授)

(おばた・せき) 1992年東京大学経済学部卒業後、大蔵省(現財務省)に入省。99年退職。一橋大学経済研究所専任講師を経て2003年から現職。ハーバード大学経済学博士。専門は行動ファイナンスとコーポレートガバナンス。『リフレはヤバい』『ハイブリッド・バブル』など著書多数。最新刊は『成長戦略のまやかし』。

小幡績
  • [連載] 経済万華鏡

    貨幣・バブル・金融

     今回で連載は終了なので、最も重要な貨幣の話をしよう。  ビットコインが話題を集めているが、あれは貨幣であり同時にバブルである。  貨幣とは何か。普通は3つの要素で定義される。第一に価値尺度、第二に決済手段、第三に価値保蔵手段である。  ここでは、政府が通貨…

    経済万華鏡
  • [連載] 経済万華鏡

    オリンピックに見る日本企業の美学

    勝利より美学を優先する日本 オリンピックが終わった。日本選手は結果を出した選手もいれば、出せなかった選手もいる。期待された選手ほどプレッシャーに負け、メディアに注目されなかった選手が結果を出したことが多かった。 これは世界共通で、メディアや国民の世論というのは邪魔だ。…

    経済万華鏡
  • [連載] 経済万華鏡

    金融市場の混乱は無視すべき

     1月25日のアルゼンチンの通貨危機以降、株式市場、為替市場ともに荒れているが、気にしてはいけない。これらは何の意味もない。なぜなら、金融市場の時代は終わったからだ。  理由は4つ。まず、アルゼンチンの危機自体が世界に衝撃を与えるものでない。実はアルゼンチンの危…

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  • [連載] 経済万華鏡

    退屈な2014年

     2014年は退屈な年となるだろう。前回、株価は総楽観論、こういう時がむしろ危ない、と書いた。もうひとつのリスク要因は、壮大なる退屈だ。  14年は、本質的には何も起きない。アベノミクスは、昨年良くなりすぎたから、これ以上良くなるのは難しいだろう。しかし、消費税…

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  • [連載] 経済万華鏡

    今年の株価は?

     安倍政権への交代により、日経平均株価は80%以上上昇し、2013年は世界的にも日本株式市場が最も上昇した。年頭の経営者などの株価予測も、すべての人が上昇を予想、問題は1万8千円程度までか、いや2万円を超えるか、そこが話題となっている。  こういう時が一番危ない…

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  • [連載] 経済万華鏡

    今年もアベノミクスは健在か

     2013年はアベノミクスに席巻された1年だった。日経平均株価は80%以上上昇し、景気も一気に回復した。円安が進み、輸出産業は大いに沸いた。そして、社会全体がこれに酔うかのようにムード一変、明るくなり、忘年会も新年会も大盛況だ。 今年もこの流れは続くだろうか。そ…

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  • [連載] 経済万華鏡

    日本の競争力とは何か

     企業戦略論の大御所、マイケル・ポーター教授の講演会に行った。講演後、質問をしたかったが、司会者に当ててもらえず、議論することはできなかった。  日本の競争力の復活の鍵がテーマだったのだが、私の疑問は、日本の競争力とは何かということだ。日本政府の効率性、日本政府…

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  • [連載] 経済万華鏡

    食品虚偽表示はなぜ可能だったか

     飲食店、食品の虚偽表示に対する謝罪が続いている。今となっては、最初に報道されたホテルは、ついてない、不公平だと思っていることだろう。しかし、次々と発表される偽装を消費者はどう思っているのだろうか。  少なくとも私の周囲、私、そして全体的な反応を見ていると、ほと…

    経済万華鏡
  • [連載] 経済万華鏡

    イノベーションはどうやれば起こせるか

     日本企業が競争力を落としている理由の1つにイノベーションが起こらなくなったことを挙げる学者、有識者は多い。かつてのソニーはアップルにとって代わられ、日本がイノベーションを起こせなくなっていると嘆く。そして、その対策とやらを提言する。政権もイノベーションを起こすた…

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  • [連載] 経済万華鏡

    大衆化するノーベル経済学賞と経済学の未来

    「あり得ない」組み合わせのノーベル経済学賞受賞者  今年のノーベル経済学賞受賞者は、米シカゴ大のファマ、ハンセン、そして米エール大のシラーの3氏の共同受賞となった。資産価格の決定要因が3人に共通する研究テーマだが、これはノーベル経済学賞が革命的に大衆化したことを示して…

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  • [連載] 経済万華鏡

    消費税増税は誰のためか

     10月1日に安倍首相は、消費税を引き上げる決断をした。それ自体は民主党野田政権が決断したことであり、それを変更しないという「決断」をしただけ、あるいは法律改正などのアクションをとらず追認し、何もしなかっただけだから、何もあんなに派手に記者会見することも報道するこ…

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  • [連載] 経済万華鏡

    ローレン・サマーズと米国の衰退

    ローレン・サマーズのFRB議長候補辞退に失望 ローレンス・サマーズ元財務長官(元ハーバード学長)がFRB議長候補を辞退した。これは多くの米国市場関係者、エコノミスト、政治家たちに歓迎されている。メディアも評論家も当然といった扱いだ。失望しているのはオバマ大統領だけと言…

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  • [連載] 経済万華鏡

    デフレ脱却と景気の関係

    デフレなのに「好景気」なのはなぜか? あらためて議論しよう。デフレ脱却とは、文字通りに解釈すれば、デフレからインフレになるということだ。デフレとは、物価が継続的に下落することであり、インフレは物価が継続的に上昇するということだ。 なぜ物価は上昇するのか。オーソドックス…

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  • [連載] 経済万華鏡

    アベノミクスとリフレと消費税

    リフレ政策が有効なら消費税で景気腰折れはない 安倍政権の経済政策、アベノミクスを形作るブレーンたちの議論は矛盾している。 強力な金融緩和によりインフレを起こそうとするリフレ派と呼ばれる彼らは消費税増税に反対している。理由は、強力なリフレ政策により、ようやくデフレから立…

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  • [連載] 経済万華鏡

    設備投資は誤り

     今回の成長戦略の目玉の1つが、設備投資を促す数々の政策だ。法人税減税の代わりに、設備投資減税を拡大する可能性が高い。この意図は、ただ減税しても企業は投資に回さないので、需要を増やすために投資した場合だけ減税するという政策だ。とにかく需要を出させろということである…

    経済万華鏡
  • [連載] 経済万華鏡

    選挙と政策

     この原稿が日の目を見る頃には、参議院選挙は終わっているはずだが、今は選挙直前である。しかし、安倍自民党が圧勝することは明白で、全く盛り上がりに欠けた選挙戦となっている。  普通の選挙戦においては、与党と野党の戦いだから、できる限り、与党と対立軸を鮮明にして、違…

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  • [連載] 経済万華鏡

    成長戦略では成長できない

     安倍政権によって打ち出された成長戦略に対して失望が広がり、株価は下落し、メディアや有識者は批判を強めている。株価が暴落したのは、成長戦略を材料として利用しただけだが、メディアや有識者はどうも誤解しているようだ。  彼らは2つの誤りを犯している。第一は、官僚が作…

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  • [連載] 経済万華鏡

    株価暴落は何を意味するか?

    何も起きていないのに株価暴落 前回、株価はバブルであると書いたら、発刊の前に大暴落が始まってしまった。 株価は、なぜ暴落したか。それは、株価が上がっていたからである。上がらないものは下がらない。理由がなく上がったのだから、下がるのにも理由はない。 問題は、下落の仕方だ…

    経済万華鏡
  • [連載] 経済万華鏡

    株価はバブルか?

     現在の日本の株価はバブルであろうか。  私はバブルであると考える。5月の大型連休後、日本の株価はバブルとなったと考える。その理由は以下のとおりである。  第1に実体経済の将来の改善のすべてを既に織り込んだからである。5月の大型連休後、多くのアナリスト、機関投…

    経済万華鏡
  • [連載] 経済万華鏡

    村上春樹と行動ファイナンス

    村上春樹が唱える「人間は2階建て」の意味とは 村上春樹の新作は、またもや100万部を突破した。彼の小説の魅力は何だろうか。 確かに、このコラムでハルキ論をすることは妥当ではない。 しかし、2つの事実がある。1つは、村上春樹の作品への批判の1つに、彼の作品は…

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 高橋和夫(東京急行電鉄社長)

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日常生活が作品になるということ」
落合陽一(筑波大学准教授)

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