筆者の記事一覧
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[連載] WORLD INSIGHT
原油価格下落の背景と底打ち水準
シェールオイル増産は原油価格下落の直接的な要因ではない 歯止めがかからない原油価格の下落が世界の金融市場を揺るがしている。 この原油価格下落の背景はなんだろうか。世界銀行の分析によると、長期トレンドに影響する需給バランス面では、米国シェールオイ…
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[連載] WORLD INSIGHT
米国の利上げと株式市場の反応
米国の量的緩和は終わっていない 2015年のグローバルマーケット最大の注目材料は米国の利上げであろう。先日発表された14年11月雇用統計では非農業部門の雇用者数が前月比で大きく増え、平均時給も伸びた。雇用情勢の回復が鮮明となり、早期利上げ観測も高まっているが、初回…
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[連載] WORLD INSIGHT
日銀が世界に示したデフレ脱却への意志
米国と正反対の金融政策を取った日銀 10月の最終週、米国と日本で金融政策にかかる重要な決定が行われたが、その両者はあまりにも対照的であった。いうまでもなく、米国ではリーマン危機後3度にわたって発動されてきたQE(量的緩和)の終了であり、日本では日銀による追加緩和の…
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[連載] WORLD INSIGHT
日本経済にとって円安は良いことか
円安の恩恵に浴する側と不利益を被る側 ドル円相場が1ドル=110円をつけるなど円安が加速している。それを受けて、経済界や市場関係者の間で円安をめぐる議論が熱を帯びてきた。これ以上の円安は日本経済にとってプラスなのか、という議論である。 きっと本誌の別のページで…
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[連載] WORLD INSIGHT
日本化する欧州 本格的な量的緩和へ舵を切ったのか
デフレの瀬戸際にある欧州 「通貨は詩と似ている」。幼いころから詩をこよなく愛した、前欧州中央銀行(ECB)総裁、ジャンクロード・トリシェ氏の言葉である。「500年前の俳句のように金貨は鋳造時の姿を保つ。これは非常に重要な点だ。時を経ても価値を保つ不変の大切さをわれ…
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[連載] WORLD INSIGHT
『21世紀の資本論』が描く 米国経済の状況
『21世紀の資本論』の根幹 200年の統計分析が暴く「謎」の正体 トマ・ピケティ著『21世紀の資本論』という書籍が欧米で話題になっている。英語版(原書は仏語)で700ページ近いハードカバーがベストセラーになっている。同書の主張は明快である。貧富の差は拡大する。富裕…
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[連載] WORLD INSIGHT
史上最高値を更新する米国株にバブルの要素はあるか
歴史的水準に照らして問題はなし 独立記念日を翌日に控えた今月3日、米国株式市場でダウ工業株30種平均は1万7千㌦の大台を初めて上回り、過去最高値を更新して取引を終えた。 ダウ平均はリーマンショックから半年後の2009年3月に7千㌦を割り込む水準まで下落したが、…
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[連載] WORLD INSIGHT
世界的に加速する利回り追求の動き
低インフレとユーロ高是正を狙った追加緩和 前回は米国の長期債利回りの低下について取り上げた。順調に回復しているように見える米国経済にも低インフレという「アキレス腱」があり、それが根強い金融緩和の長期化観測につながっていると指摘した。低インフレがより深刻なのは欧州で…
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[WORLD INSIGHT]
米国金利が上昇しない背景と日本株相場への影響
雇用統計に反応しない米国長期金利 5月2日に発表された米国の雇用統計で、非農業部門の雇用者数は前月から28万8千人増加した。20万程度を見込んだ市場予想を大幅に上回ったうえ、2月と3月分も上方修正された。失業率は前月から0・4%低下し6・3%となり、6・6%の市場…