テクノロジー潮流
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[連載] テクノロジー潮流
科学技術開発とチームプレー
科学技術開発もチームで評価することが重要 今年のノーベル物理学賞は、青色発光ダイオード(青色LED)の開発を対象として、赤崎勇(名城大教授)、天野浩(名古屋大学教授)、中村修二(米カリフォルニア大サンタバーバラ校教授)が受賞した。 青色LEDと…
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[連載] テクノロジー潮流
エボラ出血熱と情報セキュリティー
「エボラ出血熱と情報セキュリティー」とは、不思議なタイトルだと思われる方も多いかもしれない。謎かけでは、「どちらもウィルスが問題です」ということになるのかもしれないが、そう呑気な話ではない。この2つの事象の共通点から社会の脅威を考えてみたい。「ウィルスによるパンデミッ…
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[連載] テクノロジー潮流
21世紀の日本のかたち 農電業と漁電業
農電業、漁電業、林電業、温電業」という言葉が使われ始めた。所得倍増を目指す発電兼農林漁温泉業のこれからの形だ。これらは筆者の造語だが、よい言葉を思い付いたと自負している。再生可能エネルギーによる発電事業は、初期投資は必要だが毎日の頻繁な手入れが不要で、かつ、燃料補給…
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[連載] テクノロジー潮流
工学システムの安全について
工学システムは、その時々の社会が求める最適な価値を提供するものであるが、高度化するにしたがい、その安全の確保が社会の重要な要求となってきた。 まず、安全であるということは、どういうことであるかを考えてみる。ISOでは、安全を「受容できないリスクがないこと」(IS…
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[連載] テクノロジー潮流
エネルギー移行と国民の価値観の変化
数十年は続くであろうエネルギー革命が始まった。化石エネ依存からの脱却の戦いである。 既に欧州では、電力の5割以上を水力を含む再生可能エネで賄う国が6カ国、2割以上が8カ国に達した。さらに昨年になって、中国、米国が大変化を遂げ、絶対量で欧州を抜いて最大の風力、太陽…
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[連載] テクノロジー潮流
介護・農業分野へのロボット投入の期待と懸念
ロボット活用が期待される介護、農業分野 2020年までにロボット市場の規模を製造現場では現在の2倍に、また介護や医療といったサービス分野などでは現在から20倍に、それぞれ1兆円を超える規模まで成長させようとするロボット戦略が話題となっている。 人を抱えたり移動…
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[連載] テクノロジー潮流(第5回)
科学技術をコントロールする難しさ―ハザードとリスクソース
急激な科学技術の進展により技術コントロールが困難に 3Dプリンターを使って拳銃を製造するという事件が発生した。 3Dプリンターは大量生産にこそ向いていないものの、図面情報さえあれば個人でいろいろなものが製造できるという特徴がある。これまで製品として入手しようと…
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[連載] テクノロジー潮流(第4回)
超電導リニアと超電導送電
超電導が21世紀の世界を大きく変えそうだ。 2027年にJR東海が名古屋〜東京間に夢の超電導リニアを開通させようとしている。車に積んだ超電導磁石が磁気浮上を可能にする。上海の吸引型磁気浮上列車とは全く違う。反発型で10センチも浮き上がり、線路との距離調節も不要だ…
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[連載] テクノロジー潮流(第3回)
社会の共有価値と未来
岡伸一さんの『動的平衡』という本に、「人間の身体のあらゆる部位が分子レベルでは絶え間のない分解と合成が繰り返されている」という記述がある。つまり、人は分子レベルでは1年たつとすっかり入れ代わっているというのだ。しかし、個人の本質が別のものになるわけではない。このこと…
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[連載] テクノロジー潮流(第2回)
ねつ造と改ざん、盗用――科学界を蝕むもの
理化学研究所論文が世界中を騒がせた。世界でも指折りの研究所から、しかも若き女性研究者から、非常に魅力的な成果が出て来たのだから、それが幻となると国民の落胆も大きい。 理化学研究所には、実績のない若手でも、「仮説」に魅力があれば、挑戦的な研究機会をあえてやらせてみ…
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[連載] テクノロジー潮流(第1回)
人類が経験した3つ目の社会革命~情報革命がもたらす未来~
人類は、これまで農業革命、産業革命、情報革命という3つの大きな社会構造革命を経験してきた。農業革命は狩猟と農業を分化し、産業革命は工業や商業を農業に比肩しうる産業として確立してきた。 情報革命の特徴と未来 では、情報革命はわれわれに何をもたらしたのであろうか?…