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退職金の現物支給と諸税金に関する留意点

税務・会計心得帳

 会社の役員・経営者の方から退職金の現物支給に関する質問をよく受けますが、不動産・保険などの現物を退職金として支給する場合、次の3点をおさえておくことがまず必要です。

(1)現物の価額(時価)

(2)現物の価額と帳簿価額に差 があれば、会社に「利益」か 「損失」が生じる

(3)税金(源泉徴収)は必ず金銭 で納付

 以下、これらのポイントを踏まえながら、退職金の現物支給時の留意点について少し具体的に説明しましょう。

退職金の心得1 不動産の現物支給と諸税金

 「役員社宅として使用していた不動産を退職金として貰いたい」︱︱そんな要望をよく受けますが、先に示したとおり、現物支給は「時価評価」が基本。購入時よりも不動産価格が上がっている場合、法人に譲渡益が課税されます。また、支給された側にも不動産取得税・登記費用が掛かり、現金支給に比べコストがかさみます。

 ただし、オーナー企業の場合、不動産を会社で購入しておき、退職時に現物支給を受けるようにすると、かなりの節税効果があります。

 また、不動産の時価の算定は不動産鑑定士に依頼するのがお勧めです。税務署に対する不動産価額の説得力が増すからです。鑑定料が高いとの指摘もありますが、簡易鑑定という簡便・安価な鑑定方法があり、税務署用として使うだけなら、それで十分です。

退職金の心得2 保険の現物支給による節税は微妙なケースも

 保険による現物支給の価額は、「解約返戻金相当額」です。現在、保険を使った退職金の節税プランも出回っていますが、微妙なケースもあるので、保険の現物支給時には必ず専門家にご相談ください。

退職金の心得3 現物支給の場合は税金を上乗せする

 退職金を不動産や保険などの現物で受け取った場合、困るのが税金の支払いです。源泉徴収される税金は、現金で支払う必要があるからです。なので、一般的には、税金分を上乗せして退職金の支給額を決めるのが普通です。現物支給が1億円なら1億2千万円といった格好です。

 

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