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臨時国会の重要テーマは「自然災害への危機管理」

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 また、政府の組織的な見直しについては、長く国会職員として組織改革などにもかかわってきた平野貞夫元参議院議員が、特に、広島の土砂災害についてこんな案を私に話してくれた。

 「ゲリラ豪雨はもはや日常的。これを予報する気象庁が、組織的には国土交通省にある。しかし、危機管理という観点から考えれば、気象庁を首相直轄の内閣府に置くべきではないか。そうすれば、首相が避難や危機管理対応など迅速に正確にやれるし、気象庁も意識が変わるし、内外に取り組む姿勢も示せる」

危機管理メンバーと連絡体制の見直しも必要

 このほかにも、安倍首相の周りに陣取っている危機管理のメンバーや連絡体制などの再検証も必要ではないかと感じる。

 広島の土砂災害が発生したのは夜中。通常深夜に起きた災害は、夜が明けると被害が何十倍にも広がっていることが明らかになる。広島の場合、夜中の段階で「数人が土砂崩れで行方不明か」というレベルの情報が現地から官邸の担当者に入っていたというが、明るくなってあらためて確認すれば被害は甚大だと構えるのが当然だった。

 安倍首相は、この日たまたま夏休みで山梨県の別荘にいた。早朝からゴルフの予定が入っていたが、首相には、「明るくなるまでは予断を許さないという深刻なニュアンスを伝えていなかったようだ」と首相に近い議員は言う。結局ゴルフに出掛けてしまい、その後、夜が明けてから次第に死者・行方不明者などが判明、首相がいったん東京に戻ったり、また別荘に戻ったりと危機管理において内外にゴタゴタした印象を与えてしまった。

 前出の安倍首相に近い議員も「すべては初動が大事。明るくなってからの情報を待ちましょうという報告を誰もしなかったのか。危機管理担当者や秘書官が反省すべき点は多い」と話す。

 自民党は、休眠状態だった「火山議連」が活動を再開して「予知体制の提言」などに取り組むという。この臨時国会、最優先・最重要テーマと言っていい。なぜなら、自然災害は再び今日、起きるかもしれないのだから。

 

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