経営者コミュニティ「経済界倶楽部」

「NIPPONを憧れの国から今行きたい国へ」--松山良一(日本政府観光局 理事長)

日本政府観光局 理事長 松山良一氏

日本の強みは「日本人」

── インフラはどうですか。

松山 首都圏では空港の発着枠もホテルなどの宿泊施設のキャパシティも今のままでは足りません。2千万人にまでインバウンドが増えることを想定すれば、ホテルも増やさなければなりませんし、現在、制限されている都心の上空を飛行機が飛ぶことに関しても緩和して発着枠を増やすことが必要でしょう。

 一方で、地方はまだまだ余裕がありますから、地域の活性化と一緒になって地方へ誘導しなければなりませんね。

 「WiFi」の問題もあります。今は、外国人、日本人を問わず旅行者はネットの情報を頼りに旅をしますし、撮った写真もその場でSNSにアップします。友人や知り合いからの口コミ情報が、一番信頼され、宣伝効果も高いですから、私たちも、ポイント設置を重点課題としてとらえています。

松山良一── ほかにもありますか。

松山 あとは、この10月1日から免税制度が改正され、ショッピングが盛り上がっていますが、クレジットカードが使えないところも少なくありません。そうすると、現金が必要になります。

 海外ですと銀行ATMからクレジットカードで現地通貨を引き出せるのですが、日本のセキュリティー認証のシステムが諸外国と違うので、現在は、ゆうちょ銀行とセブン銀行のATMでしか、クレジットカードを使うことができないんです。

 これは、システムが古いわけでなく逆に振り込みなど高機能なATMだからこそ、セキュリティーシステムも高度になっています。でも、それがガラパゴス化の原因でもあるんです。ゆうちょ銀行とセブン銀行の2つのATMは、自社のセキュリティー認証と同時に、一部海外と共通のシステムを入れて対応しています。こういった現状をメガバンクにもお話をしまして、来年から対応していただけるめどがたっています。

 「いらっしゃい、いらっしゃい」といっても、受け入れ態勢がしっかりしないといけませんからね。海外だと外貨の交換所が多いですが、日本ではあまり見掛けないじゃないですか。まだまだやらねばならぬことは多いということです。

── 日本の素晴らしさをひとつ挙げるとしたら何でしょうか。

松山 日本人、日本人そのものですね。震災の時に見られた日本人の気質などに外国人は感動します。海外でも「10things to learn from japan(日本から学ぶ10のこと)」という震災下での日本人の美徳を綴ったメールが世界中を駆け巡りました。また、モノづくりの世界も微に入り細に入り奥深い。そして、何よりすごいのは日本人の生活です。

 以前、福島県のいわき市で会議を行った時にASEANの方たちと同行したんですが、東京に戻ってきて彼らに何が良かったか聞いてみたんです。そうすると「田園風景が素晴らしい」というんですよ。桃源郷みたいできれいだというわけです。

 一番のポイントは「ありのまま」です。こちらが、これがいいと思うから勧めるのではなく、海外の方の目線を大事にする。きれいな空気とおいしい水が飲めて、安全な国は世界中探してもほかにはありません。

 日本という国に自信と誇りを持っていけば何も心配することはありませんよ。

 
経済界 電子雑誌版のご購入はこちら!
雑誌の紙面がそのままタブレットやスマートフォンで読める!
電子雑誌版は毎月25日発売です
Amazon Kindleストア
楽天kobo
honto
MAGASTORE
ebookjapan
 

雑誌「経済界」定期購読のご案内はこちら

経済界ウェブトップへ戻る

1 2 3