経営者コミュニティ「経済界倶楽部」

選択と集中進む米ヤフーが「返り咲き」

津山恵子のニューヨークレポート

メディア企業への第一歩を踏み出す!?

 メイヤー氏の経営は、「モバイル」に集中している。今年1月、米ラスベガスで開かれた世界最大の家電見本市CESで基調講演を行ったメイヤー氏は、スマホ向けアプリのアヴィエイトを買収すると発表した。アヴィエイトは、スマホの画面に並ぶアプリを時間や状況に応じて自動的に並べ替える「スマート・ホームスクリーン」技術を持つ。朝は、よく見る交通情報や天気予報、メールなどのアプリが並び、夕方は、ビデオやテレビ、レストランの検索アプリが表示されるなど、まさにモバイルならではのサービスだ。

 「自分で探すことなく、携帯電話がぴったりのタイミングで見たいと思った情報を知らせてくれることを想像してみてください。例えば車内では地図や音楽、ジムではフィットネスのアプリがすぐに使えるようになる」とメイヤー氏は説明する。

 このほかにも「目玉」があった。モバイル環境におけるメディア事業の展開だ。CESに先立つ昨年末、ヤフーはベテランジャーナリストのヘッドハンティングを盛んに行った。ヤフーに移籍した1人に、元テレビアンカーで国際ジャーナリストのケイティー・クーリック氏がいる。クーリック氏は、ABCの夕方のニュース番組で唯一の女性アンカーだった。

 クーリック氏は、CESの基調講演でメイヤー氏とともに舞台に登場。

 「重大なニュースを時間や場所を選ばず、いつでも伝えることができるヤフーは、これまでになく興奮する仕事だ」と話した。

 同時に発表した「ヤフー・ニュース・コンテンツ」というアプリは、日本のユーザーが慣れ親しんでいる「ヤフー・ニュース」とはかなり異なるサービスだ。このアプリは、ヤフーが集めてくる提携先のニュースを一覧できる画面を自動的に作成する。さらに、見出しをクリックすると、記事のほか、写真、ビデオ、グラフィックスなどあらゆる報道機関から集めてきたコンテンツを網羅的に見ることができる。

 このほか、タブレット端末向けには、「ヤフー・フード」「ヤフー・テック」という2つのマガジンアプリを発表。ヤフー・テックは、ハイテクに詳しくない読者に、最先端技術を分かりやすく説明するデジタルマガジンだ。

 こうしてみると、ヤフーは、グーグルとは異なるアプローチで、再び、コンテンツプロバイダー、サービスプロバイダーとして蘇る途上にある。

 あとはアップルのように戻ってきたユーザー、あるいは新たなユーザーに熱烈なファンを作ることができるかどうかだ。

 

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