経営者コミュニティ「経済界倶楽部」

北朝鮮・台湾を巡る米中それぞれの思惑

変貌するアジア

米国とイラン・北朝鮮との国交正常化の可能性

 2014年12月17日、オバマ米大統領が突然、半世紀以上も国交を断絶していたキューバとの国交正常化を宣言した。水面下では、カナダとバチカンが動いていたという。
 このニュースに接して、中国は、キューバとの関係が緊密だったので、衝撃が大きかったに違いない。実は、同年7月、習近平国家主席がキューバを訪問し、ラウル・カストロ国家評議会議長と広範な経済協力について会談の機会を持った矢先の出来事だった。
 さて、残りの任期がわずか2年のオバマ大統領は、歴史に自らの名を刻むべく、イランとも国交回復する可能性もあり得る。だが、オバマ政権による次なるサプライズは、米朝国交正常化(および不可侵条約の締結)だろう。
 かつて2005年9月、ジョージ・ブッシュ政権は、一時、マカオの銀行バンコ・デルタ・アジアの北朝鮮資産を凍結したことがある。
 ところが、2007年2月の6カ国協議(米・中・露・日・南北朝鮮)で、北朝鮮が5カ国からの燃料(重油)供与の見返りに、寧辺(ヨンビョン)の核施設閉鎖に合意した。そのため、ブッシュ政権は北朝鮮との国交正常化を視野に入れて、翌3月、バンコ・デルタ・アジアの北朝鮮資産凍結解除を行った経緯がある(さらに、米共和党政権は、翌2008年10月、北朝鮮に対してテロ国家指定を解除した)。
 ただ、キューバとイラン・北朝鮮の決定的な違いは、イラン・北朝鮮の両国は、核を製造中または保有している疑惑があることだ。したがって、米国が簡単に両国と国交正常化するとは考えにくい。特に、ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメント(SPE)が金正恩の暗殺を描いた映画『ザ・インタビュー』を制作した報復として、北朝鮮が同社へサイバー攻撃を行ったとオバマ政権が結論づけたからである。

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