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KDDIのビッグローブ、ニフティ買収でMVNOの淘汰が加速か――総務省

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KDDIが、インターネット接続事業者(ISP)大手のビッグローブとニフティの買収に向けて交渉を進めている。両社を買収することで、KDDIはNTT東西地域会社の光コラボサービスに本格参入する。

光コラボはNTT東西が企業向けに卸販売する光回線利用のインターネット接続サービスで、NTTドコモやソフトバンクなどISP各社が利用者数を伸ばしている。従来はNTT東西の代理店でしかなかったビッグローブとニフティも自社ブランドでサービス提供している。総務省の研究会などで光コラボの容認に反対してきたKDDIは「うちはやるつもりはありません」(田中孝司社長)と断言。自社の設備による光サービスを提供している。しかし、光コラボ事業者の増加で価格競争が激化。子会社を通じて細々と光コラボの提供も始めている。

MM総研の光回線契約者数調査(2016年9月末実施)によると、ビッグローブは245万1000件で4位、ニフティは93万件で8位。128万4000件で7位のKDDIが2社を統合すればソフトバンクの345万3千件を抜き、グループで2位に浮上する。

また、それぞれ数百万人の加入者を抱えるビッグローブとニフティは、KDDIが提供する電子マネーやネット通販、保険など「au経済圏」の顧客囲い込みにうってつけでもある。さらに、格安スマートフォン販売のMVNO(仮想移動体通信事業者)でもある両社はNTTドコモのネットワークを利用できるため、au回線だけで営業しているKDDI子会社のUQコミュニケーションズと事業統合すればドコモとauの両回線を利用することが可能になる。スマホの価格引き下げのためにMVNOの普及促進を掲げる総務省は「MVNOは今後、淘汰が進み勢力が集約される」(総合通信基盤局)とみており、KDDIのM&Aを歓迎している。

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