経営者コミュニティ「経済界倶楽部」

日本の富裕層マーケットを「つなぐ」力で時代をリードするフロントランナー――吉村心太郎(つなぐ-en-システム代表取締役)

20年近くマンションオーナーの資産形成をサポートしてきた吉村心太郎氏が立ち上げた「つなぐ-en-システム」。吉村氏が培ったノウハウを生かし、これまでにない富裕層に特化したコンテンツでマーケットにイノベーションを起こそうとしている。

富裕層のニーズに応える会員情報誌で「つなぐ」を実現

つなぐ-en-システム株式会社代表取締役 吉村心太郎(よしむら・しんたろう)

つなぐ-en-システム株式会社代表取締役 吉村心太郎(よしむら・しんたろう)

野村総研が2016年に行った調査によると、日本の富裕層(保有資産1億円以上5億円未満)は114万世帯と推計されている。日本ではこの富裕層に向けたビジネスが遅れている、と考えたのが吉村心太郎氏だ。吉村氏は1998年に設立したホープハウスシステムでマンションリフォームを中心に、20年近くオーナーのマンション経営をサポートしてきた。

真摯な顧客対応が厚い信頼につながり、オーナーからは不動産以外にも健康維持や旅行、相続対策、孫や子どもの進学といった相談までもが寄せられるようになる。当初はそれぞれの専門家を紹介していたのだが、増える一方の相談件数に対応し、ワンストップで富裕層であるオーナーのライフスタイルを提案するために自らサービスを立ち上げた。それが会員情報誌「TsuNaGu8(つなぐエイト)」の創刊だ。

同誌の制作・発行や富裕層向けサービスの企画・運営のため、新会社つなぐ-en-システムを設立し、17年3月同誌を創刊、約4万5千部を会員となったマンションオーナーなどの富裕層に無料で配布している。

「『TsuNaGu8』の特長は、読むだけの雑誌ではないことです。当社が主催するさまざまなイベントや、独自に企画したサービスなどを富裕層の方々に選んでいただき、参加あるいは購入といったアクションに『つなげる』ものなのです」

時の流れを映し、五感で堪能できる日本発の絵画『アール・グラージュ』や、豪華分譲型客船『ザ・ワールド』の紹介など、他のメディアでは見られない魅力的なサービスが同誌独自の特典、価格で提供されている。そして、それらサービスの問い合わせ先は全てつなぐ-en-システムであり、同社は会員とサービスをつなぐコンシェルジュとしての役割を担っているのだ。

「当誌のコンセプトは、『笑顔と笑顔』『オーナー様と企業』『オーナー様とオーナー様』『部屋と入居者』『親と子(孫)』『資産と財産』『企業と企業』『日本と世界』、この8つの『つなぐ』を実現することです。当誌を通してコミュニケーションの場が醸成され、多くの企業にとってもビジネスチャンスやイノベーション創発のきっかけになると考えています」

そして、吉村氏の最大の狙いは8番目の「つなぐ」である『日本と世界』にある。日本には富裕層に対する特別な対応という文化が根付いていない。富裕層限定の特別なサービスがなければ、世界の富裕層は日本に目を向けないと考えている。

「一流の経済国家であるためには、世界の富裕層から一目置かれる必要があります。当社はそうした方々が興味関心を持つサービスを展開することで『世界と日本』をつなぐことを実現させます」

豊富なコンテンツを揃えた誌面連動型イベントにより、富裕層向けマーケットをリード

「TsuNaGu8」と連動するイベントは多岐にわたり、賃貸経営や投資に関するセミナーから、クルーズ船上での旅行セミナー、チャリティイベントなど幅広い興味の会員を囲い込んでいる。その中でも最大のコミュニケーションイベントが、昨年11月に渋谷のセルリアンタワー東急ホテルで開催され約3200人の来場者が訪れた「HAPPY TsuNaGuコレクション」だ。元大阪府知事の橋下徹氏、元衆議院議員の杉村太蔵氏らによる特別講演や、40を超えるセミナーを実施。ソフトバンク、日動画廊、大丸松坂屋、大塚家具など90社に及ぶ多彩な出展企業が、不動産投資だけでなく旅行、美容・健康、アートなど富裕層にさまざまなライフスタイルを提案した。各企業からは、来場した富裕層との直接商談で数多くの成約や見込み客の獲得につながった、と高い評価を得ている。

「今後は、この連動型イベントを雑誌の発行に合わせて定期的に開催していきます。次回は3月31日に東京ドームシティのプリズムホールで開催する予定ですが、昨年12月に出展説明会を開催したところ参加社は90を超え、その半数以上がその場で申し込まれるなど既に多くの企業から出展希望が寄せられています」

実は、第2回イベントは第1回の開催前に既に実施が決定されていた。それは吉村氏の自信の表れでもある。次のイベントは、不動産情報サービス大手のLIFULLとのコラボレーションが決定し、規模もより一層大きなものになりそうだ。

「いわゆるビジネスショーではなく、来場された全ての方が『役に立った』『楽しかった』と感じ、次回以降もリピートしてもらえるイベントにすることが私たちの思いです。当社のコアメンバーは女性が中心となっており、企画をはじめ骨格となるところは全て社員の手作り。彼女たちならではのおもてなしで、心がこもった、顔の見えるイベントにするために社員一同が創意工夫を凝らしています」

吉村氏は、これからは不動産関連事業も「攻める」から「集める」にシフトする時代だと考えている。優良なコンテンツである雑誌とイベントによって富裕層を集め、マッチングすることで日本の富裕層向けマーケットをリードしていく。株式上場も視野に入れているという同社の今後に注目したい。

つなぐ-en-システム株式会社

  • 設立/2016年4月
  • 従業員数/21人
  • 事業内容/情報誌「TsuNaGu8」の発刊、同誌と連動するイベント・セミナー・講演会等の企画・立案・運営管理および実施、広告業および広告代理業、商業デザイン制作および販売
  • 所在地/大阪府吹田市
  • 会社ホームページ/http://www.tsunagu-en.com

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