経営者コミュニティ「経済界倶楽部」

クロスカルチャーと「お互いさま」の精神が挑戦・情熱の社風を生む―アドバンテック

2019人材育成企業21

(『経済界』2019年11月号より転載) 

マイク小池氏

アドバンテック 日本法人社長兼日本地区最高責任者 マイク小池(まいく・こいけ)

台湾に本社を構え、産業用コンピューター分野で世界トップのアドバンテック。世界26カ国96都市に拠点を展開するグローバル企業である。2012年にマイク小池氏が日本法人の社長に就任して以来、日本市場でのシェアを拡大させてきた。

 2010年にIoTのソリューション、今年からAIとIoTを融合するエッジAIプラットフォームを提供するなど、産業用PCと産業用IoTの分野で次世代技術を持つ製品を提供してきたアドバンテック。

「平成の時代に日本の製造業が地道に蓄積してきた技術やノウハウを元に、AIとIoTによってスマート化が進めば、令和の日本経済はさらに発展していくでしょう」と語るのは、日本法人社長のマイク小池氏。

IT環境の変化のスピードが速い現在、既存の技術やビジネスモデルが数年で過去のものになることも少なくない。さまざまな業種業態でAI化が進む新時代を迎える中で、新しいことに挑戦する人材がいなければ会社としての成長は見えてこない。

「当社が求める人材は過去の実績ではなく、新しいことに挑戦する情熱があるかどうかです。その情熱のモチベーションとなるのが『仕事を楽しむこと』です。日本法人は台湾、米国、中国の外国人が25%を占めるクロスカルチャーな職場。国によるビジネスの取り組み方の違いが刺激となり、新しいことに挑戦する社風を生み出しています。また、クロスカルチャーによる多様な発想が顧客の課題や問題を解決し、大きな成果を上げています。その成果が仕事を楽しくし、次の情熱へとつながる好循環を生み出しています」

一般的に日本人はまず考え、PDCAで仕事に取り組むプロセス重視。米国人はシステマチックに考え、効率的で結果重視。台湾人はまず行動し、試行錯誤で結果重視。この違いがチームとして新しいことに挑戦し、結果を生む推進力となる。

「カルチャーや言葉の違いを理解する中で、足りないところを補完し助け合う『お互いさま』の社風も生まれてきました。また、全社的に『全員がリーダー』というマインドセットをしています。『自分の仕事のリーダーは自分自身である』という意識で行動し、周囲が率先してサポートするという姿を実現しています」と、小池社長。

会社全体が「お互いさま」の精神で足並みをそろえるアドバンテック。その経営姿勢は、グローバル化がますます進む日本企業にとってモデルケースとなりそうだ。

会社概要
——————————————————————————
設立 1983年(日本法人1999年)
資本金 240億円
売上高 1,700億円
所在地 東京都台東区
従業員 8,000人(日本法人88人)
事業内容 産業用組込み型コンピューティングやオートメーション、
IoT製品の開発・製造および販売。AIおよびIoTプラットフォームの提供
https://www.advantech.co.jp/
——————————————————————————

総力特集 人材育成企業21に戻る

経済界 電子雑誌版のご購入はこちら!
雑誌の紙面がそのままタブレットやスマートフォンで読める!
電子雑誌版は毎月25日発売です
Amazon Kindleストア
楽天kobo
honto
MAGASTORE
ebookjapan

雑誌「経済界」定期購読のご案内はこちら

経済界ウェブトップへ戻る