経営者コミュニティ「経済界倶楽部」

国際的な人材流通プラットフォームを構築していきたい–Dream Cloud Group

2020注目企業38

 3千社を超える経営者ネットワークを生かして幅広い人材サービスを提供するDream Cloud Group。その中核を担うアットナビジャパンは、ベトナムの優秀な若手人材を日本企業に紹介する人材支援サービスを展開する。その目的は「人材難」という社会課題の解決にある。(『経済界』2020年4月号より転載) 

加藤 侑氏

Dream Cloud Group代表取締役兼グループ代表 加藤 侑(かとう・ゆう)

 

 24歳で不動産会社「アットナビ」 を起こした加藤氏は、2009年に 海外事業をスタートさせ、ベトナムに進出する日本企業に対して不動産の仲介にとどまらず幅広く支援してきたが、同社を事業譲渡して15年に現在の事業となる「国際採用支援サービス業」に転換した。

 「優秀なベトナムの若者、それも大学を出たばかりの理系人材に限って、日本企業への就職支援を行っています。地方の優良な企業では今、驚くほど人が採用できていません。そこで当社が優秀なベトナム人材の採用を支援しているのです」

 年間40万人もの人口減が起こっている現在の日本では、一部の企業しか採用に成功していない現実がある。たとえ優良な企業でも、地方にあるというだけで、ほとんど人を採用できないケースもある。アットナビジャパンでは、その社会課題の解決に取り組んでいる。だからこそ、採用させておしまいというサービスにはなっていない。

 「何人のベトナム人学生を紹介しますという契約ではなく、『5人の採用枠を保証します』という契約になっています。だから、欠員が出たら、補充することも契約に含まれているのです」

 アットナビジャパンは、ハノイ工科大学内にキャリアセンターを設置するなど、ベトナムでの人材確保に大きく力を割いている。同キャリアセンターには現在、約3万人の学生が登録しており、彼らへの日本語教育もサポートしている。

 Dream Cloud Groupでは今後、国際的な人材流通のプラットフォームづくりに取り組むのだという。

 「今後はベトナムなどの東南アジアだけでなく、中国やアメリカ、ヨーロッパ諸国など、先進国の人材も含めて、日本企業が採用できるようなサービスに拡大していきたい。また日本に人材を入れるだけではなく、日本人も海外の企業でもっと活躍できるような双方向の人材流通支援サービスもつくっていこうと考えています」

 加藤氏は優秀な日本人が日本企業だけで働くのではなく、もっと広い市場で活躍できるように、また海外の人材も日本で活躍できる、そんな時代の到来を見据えている。

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会社概要
設立 2014年8月
資本金 1,854万円(アットナビ/資本準備金含む)
売上高 6億4,000万円(グループ合計)
所在地 東京都渋谷区
従業員数 26人
事業内容 採用アウトソーシング、理系外国人採用事業、求人メディア事業
https://dreamcloudgroup.jp/
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