経営者コミュニティ「経済界倶楽部」

女流棋士中井広恵の先手必勝(第82回)

女流棋士 中井広恵の先手必勝

チェスの道具をイメージした将棋の盤と駒

チェスの道具をイメージした将棋の盤と駒

 将棋の羽生善治三冠が、ポーランドで行われたチェスの国際大会に出場しました。ここで好成績を残し、2つ目のIMノームを獲得。日本チェス界でもこの話題で大いに盛り上がっているようです。

 チェスの世界では国際基準がGM(グランドマスター)、IM(インターナショナルマスター)、FM(FIDEマスター)に分かれていて、それぞれ規程も異なります。羽生さんは今回2つ目のIMノームということで、あと1つ取ればIMの称号が与えられるそう。現在日本国籍を持つIMはいないということで、大きな期待がかかります。

 以前羽生さんと対談させていただいた時にチェスのことを伺ってみました。当時から既にチェスの世界でも日本トップクラスの腕前だった彼にどうしても聞いてみたかったのが、

「将棋の対局でお疲れの毎日なのに、なぜそこでまたチェスをやるのですか?」

 というもの。まさかそれがストレス発散になるとも思えなかったので(笑)。羽生さんは、「将棋は直接的に殴り合っている感じで、チェスはボディブローで打ち合って徐々に効いてくる感じ。だから同じ疲れでも種類が違うんです」

 うーん、常に疲れている状態が心地良いのでしょうか……。

 そして、将棋とチェスは似たゲームだけど似て否なるもの……とも。将棋の力があればある程度のレベルまでは強くなれるけれど、そこからはかえって将棋で培った読みや形、感覚がマイナスになるのだそうです。確かに、チェスでは駒の損得が大きな形勢判断の要因となり、駒損をするとなかなか勝つことができませんが、将棋の場合は駒損しても優勢ということが多々あります。対談の中で、「今度はチェスで世界のトップを狙うという野望(?)はありますか?」という質問もぶつけています。

「実際に対戦してみないとその人がどれくらい強いのか分からないし、そこで初めてそのレベルの高さを知ることができる。だからそれを知っている人はそういう質問はしません」

 なるほど。将棋で羽生さんを倒してトップになるというのと同じことですものね。とても分かりやすいお答えでした(笑)。

 
経済界 電子雑誌版のご購入はこちら!
雑誌の紙面がそのままタブレットやスマートフォンで読める!
電子雑誌版は毎月25日発売です
Amazon Kindleストア
楽天kobo
honto
MAGASTORE
ebookjapan
 

雑誌「経済界」定期購読のご案内はこちら

経済界ウェブトップへ戻る