経営者コミュニティ「経済界倶楽部」

大統領は保険外交員

オバマ大統領の英語

米国は自主独立を旨としてきた国なので社会主義的な政策を毛嫌いする人が多い。

 だから通称オバマケア(Obamacare)こと「医療保険制度改革法(Patient Protection and Affordable Care Act:PPACA)」には猛反対する勢力があり、政府は麻痺状態に陥った。

 実は、米国の歴史上、オバマケアに類するものはたびたび浮上してきた。やはりそのたびに政争となり、セオドア・ルーズベルト、トルーマン、ニクソン、1990年代にはビル・クリントンが妻のヒラリーを中心に新たな健康保険制度の創設に向けた取り組みを行っていたが、自助力の重視と社会主義的な政策へのアレルギー、から次々と頓挫した。

 今回はオバマがど根性で実現し、2010年に法案に署名したが、3年たった今年の9月、共和党が多数の下院はオバマケア完全実施の1年延期を盛り込んだ暫定予算案を可決した。

 が、民主党が過半数を握る上院はこれを拒否した。

 そのため暫定予算案が成立せず、10月から政府機関の一部が閉鎖となり、予算の執行ができなくなるという事態に陥った。これはデフォルトの恐怖として日本でも報道された。

 せっかくのオバマケアだが、ここへ来て肝心の医療保険ポータルサイトがダウンするなど保険加入申請のペースを遅らせている。オバマ政権が10月1日に開設した同サイトでは、保険購入希望者が各種保険の内容を比較し、低料金の保険にスムーズに加入申請できるはずだった。しかし、20日までの加入申請は、独自のサイトを運営する14州分も含めて約50万件。CNNは「政府が想定していた3月末までに700万件というペースに達していない」と指摘した。

オバマ大統領は21日、ホワイトハウスで演説し、「弁解の余地はない」と政府の落ち度を認め、「誰よりも不満を感じている」といらだちをみせた。

“We did not fight so hard for this reform for so many years just to build a website.”

〈われわれはただウェブサイトを作るだけのために、こうして何年もの間激しく戦い続けてきたわけではありません〉

“We did it to free millions of American families from the awful fear that one illness or injury to yourself or your child might cost you everything you’d worked so hard to build.”

〈われわれが奮闘し続けてきたのは何百万という米国の家族、あなたやあなたの子どものけがや病気によって、これまでに汗水垂らして築いてきたことを一瞬にして持ち去られてしまうという堪え難い恐怖から解放してさしあげるためでした〉

“We did it to cement the principle that in this country, the security of health care is not a privilege for a fortunate few, but a right for every one of us to enjoy. ”

〈われわれが戦い続けてきたのは、われわれの国家の原理である、健康の保証というものが富める少数だけの専有物ではなく、多くの人々が享受すべきものであるという原則を保持していくためのものなのです〉

“We have already delivered on part of that promise, and we will not rest until the work is done.”

〈われわれは既にその約束の一部を実現しましたし、残りも実現するまで押し進めて参ります〉

 

[今号の英語]poke fun at~
 pokeというのは、突く、という意味だ。poke a little holeと言えば、突いて小さな穴を開ける、という意味で、poke aboutなら、あちこち突つき回る、という意味で、poke aroundとなれば、くんくん嗅ぎ回る感じだ。Stop poking around my personal affairs! なら、個人的なことを嗅ぎ回るのはやめてくれ! である。Poke fun at~はmake fun of~と同じで、~を笑い者にする、とか、からかう、という意味である。pokeは小突くわけだから、良い意味では使われない。オバマもオバマケアに関しては味噌が付いたばかりなのかいささか腐っていたのか、こう言った。
“Some people have poked fun at me this week for sounding like an insurance salesman. 
〈ある人々は今週私をからかって、私の話し方がまるで保険外交員みたいに聞こえると言った〉
保険のセールスマンだと揶揄されたのである。
And that’s OK,”
〈でも、それで構いません〉
“I’d still be out there championing this law even if the website were perfect.”
〈私はそれでも、この法律の旗ふりをし続けます、例えウェブサイトがまだ不完全なものだとしても〉
“I’ll never stop fighting to help more hardworking Americans know the economic security of health care. ”
〈私は勤勉な米国労働者の健康を保証するために戦い続けていきます〉

“That’s something we should all want.”
〈それこそ、われわれ皆が欲していることなのです〉

 
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