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フリトレーの構造改革。付加価値ある新商品投入売上300億円を目指すージャパンフリトレー

ジャパンフリトレー 社長 松田光弘(まつだ・みつひろ)

発売から65周年を迎えるロングセラー商品「マイクポップコーン」を主力に、コーンスナック菓子を展開するジャパンフリトレー。2009年にカルビーグループの一員となってから12年、初の生え抜き社長が構造改革を進める。

ジャパンフリトレー 社長 松田光弘(まつだ・みつひろ)
ジャパンフリトレー 社長 松田光弘(まつだ・みつひろ)

「ドリトス」「チートス」など、コーンスナック菓子の販売で国内トップシェアを誇るジャパンフリトレー。コロナ禍は追い風となり「家飲み需要」が増え、それに伴い、スナックがお酒のおつまみとして購入されることも増えたようだ。加えて、元・親会社のペプシコ社から輸入販売している高価格帯のポテトチップス「Layʼs」なども売れ行きが好調だという。

「家飲みでは『普段よりもいい商品を買いたい』とのお客さま心理が働いているようです。高価格帯の商品も売れていて、販売計画を上回って推移しています」と松田光弘社長。

だがリスク要因もある。コロナ禍起因の原材料費や海外輸送費の高騰に加え、円安基調が追い打ちをかけてきた。そのため今年2月以降、他のスナック菓子メーカーと同様に、商品価格を上げている。

「私たちは新たに『バリュエティスナック』をテーマに商品展開をしていきます。バリュー(価値)とバラエティー(多様性)を組み合わせた造語ですが、機能性、付加価値を施したさまざまな新商品を開発・販売していく予定です。3月にはその第一弾の新商品『ピースピー』を発売。カラダ想いのひよこ豆を使ったスナック菓子です。ジャパンフリトレーらしさを広げ30年度までに売り上げ300億円の目標を掲げています」

今後はプロモーションや研究開発にも力を入れていくという。「マイクポップコーン」の包装にはレタスのイラストが付いている。パッケージで付加価値の訴求を始めてから、販売が自然と伸びたという。

また、スナック菓子を楽しめる新しい提案にも力を入れている。ディップソースをセットにしたスナック菓子を試験的に大手コンビニで販売したのが一例だ。

研究においても一定の成果が出始めている。ポップコーンにはポリフェノールの一種、フェルラ酸が含まれていることが分かったそうだ。

「大学と共同研究を重ねているフェルラ酸は、認知症予防効果が期待できる可能性があります。若者向けのイメージがあるスナック菓子をシニア世代にも楽しんでいただけるようになると期待しています」 

会社概要
設立 1957年7月
資本金 4億9,000万円
本社 茨城県古河市
事業内容  スナック菓子の製造・販売
http://www.fritolay.co.jp/