経営者コミュニティ「経済界倶楽部」

アマゾン、スマホ参入でアップル、サムスンに挑戦状

津山恵子のニューヨークレポート

欲しい物にスマホをかざして即購入できる

Fire Phone

アマゾンが発表したFire Phone。実世界の商品にかざすと、アマゾンのアプリ経由で即購入できるのが特徴だ

 新しいスマートフォンが欲しいという人にとって、米アップルの「iPhone」や韓国サムスン電子の「GALAXY」のほかに新たな選択肢ができた。米オンライン小売り最大手アマゾン・コムが、独自開発のスマホ「Fire Phone」を6月19日に発表したからだ。

 Fire Phoneは7月下旬から、米国の携帯電話会社AT&Tが提供する。今のところ、日本の携帯電話会社は、Fire Phoneを扱うかどうか、方針を示していない。

 スマホ市場は多くのハイテク企業がしのぎを削っているが、中でもアップルとサムスンのシェアは極めて高い。最後発のFire Phoneが生き残るかどうかは、大きな賭けだ。しかし、そうであったとしても、今回、アマゾンが発表した新機種は、スマホに開発の余地がまだ残されていることを示した。

 同社のCEO、ジェフ・ベゾス氏が自ら発表したFire Phoneは、iPhoneやGALAXYとどう違うのか。それは、スマホへの依存度が増し、そこから情報を得ている時間が激増しているのに対応し、利用者のさらなる需要に応じるようにしたという点だ。

 Fire Phoneを使うと、欲しいと思った商品にかざすだけで、アマゾンのアプリが商品を認識し、すぐに注文できる。iPhoneやGALAXYでは、消費者は欲しいと思った商品を見た際、定価では買いたくないため、スマホでアマゾンのアプリに行き、値下げされているかどうか確認する。その上で、自宅に帰ってから、パソコンに向かい、その商品を注文するというのが一般的だった。

 アマゾンの長年の課題は、消費者が商品を手に入れるのを待ち切れずに、多少高くてもリアル店舗で買ってしまうのを防ぐことだった。このため、商品を買いたいという「衝動」→「注文」→「配達」のプロセスにかかる時間をいかに短縮していくかが、同社にとって勝負どころだ。

 Fire Phoneは、この「衝動」→「注文」の過程を、手のひらの上での簡単な操作で実現可能にした。

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