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国債の発行を抑制へ歳出圧力強化を牽制財政の健全化を貫く--財務省

霞が関番記者レポート

 2015年度予算での新規国債の発行額について、麻生太郎財務相は14年度予算の41兆2500億円以下に抑える方針を明らかにした。景気回復に伴う税収増で歳出圧力が強まることなどを牽制し、財政再建と経済成長の両立を重んじる姿勢を示した格好だ。

 14年度の新規国債発行額は、13年度から1兆6千億円減った。歳入に占める国債発行額の割合も、前年度の46・3%から43%に下がっている。

 財務省は、15年度も続いて、発行額を抑える考えだ。麻生財務相は7月22日の閣議後会見で「(国債の新規発行は)できるだけ減らしたい」と述べ、15年度の国債発行を前年度より抑える方針を正式に示した。念頭には、名目国内総生産(GDP)比でみた国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)の赤字改善を「優先順位の一番に考えなければならない」(麻生氏)という思いがある。

 この日の政府の経済財政諮問会議で示された試算では、15年度のPBは10年度と比べて対GDP比3・2%の赤字となり、半減目標(同3・3%)は達成できるものの、20年度は11兆円の赤字(同1・8%)が残る見通しで、再建の手綱をゆるめられる状況ではないからだ。

 また、アベノミクスで景気が上向き、法人税収が伸びた分を法人減税の財源に充てようという意見を牽制する狙いもある。恒久財源を確保せず法人減税を始めれば、景気が落ち込んだ場合に税収が不足し、国債を増発しなければならない。こうした国債頼みになりかねない流れに、麻生氏はクギを刺したとみられる。

 15年度予算の概算要求は8月末に締め切られ、その後、予算編成作業が本格化する。仮に再建が遅れていると海外の投資家などから見られれば、日本財政への信認は失われ、国債価格急落や長期金利上昇につながり、ひいては日本経済を冷え込ませることになりかねない。どこまで財政健全化の姿勢を貫けるのか、政権の覚悟が問われている。

 
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