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経営者コミュニティ「経済界倶楽部」

化粧品づくりを通じて女性の雇用創出に貢献--向田麻衣(Lalitpur CEO)

金の卵発掘プロジェクト

 「金の卵発掘プロジェクト」は、将来の日本経済を背負って立つ人材を発掘し、日本を元気にするためのビジネスコンテスト。本稿以降は、惜しくもグランプリ、審査委員特別賞は逃したものの、最終審査への進出を果たした候補者5人を紹介する。

「金の卵発掘プロジェクト」フェイスブックページ

女性が自身を取り戻すキッカケを

向田麻衣

向田麻衣(むかいだ・まい)
1982年生まれ。宮城県出身。慶応義塾大学総合政策学部卒。2008年、トルコにて6カ月間のフィールドワークを行った後、09年にCoffret Project(コフレ・プロジェクト)を開始。現在までにネパール、トルコ、インドネシア、フィリピンなどで活動。10年からは活動の拠点をネパールに絞り、12年は職業訓練を実施。13年5月にネパール発のナチュラル化粧品ブランドLalitpur(ラリトプール)をスタートし、人身売買被害者の女性の雇用創出と自尊心の回復に取り組んでいる。

 Lalitpur(ラリトプール)は2013年5月にスタートしました。ネパールのヒマラヤ山脈に生息する高山植物のエッセンシャルオイルを使った、オーガニックスキンケアのブランドです。このブランドを立ち上げた一番の理由は、女性の雇用を生み出すことでした。

 私は15歳の時に、学校の講演会でお話ししてくださったネパールのNGOにお勤めの高津亮平さんのご経験談に感銘を受け、17歳の時にアルバイトで貯めたお金で単身ネパールに渡り、約1カ月滞在しました。その間、高津さんの元でお世話になり、女性の識字教育現場や病院などでのボランティアを体験しました。

 初めて見たネパールでは、さまざまなカルチャーショックを感じつつも、たくさんの出会いがあり、素晴らしい友人ができました。そして、その後、私が大学を卒業するタイミングで、6カ月間のアジアを巡るフィールドワークを実施し、その中から、女性の自尊心を育むプロジェクト、Coffret Project(コフレ・プロジェクト)をスタートしました。

 09年より約5年間、私はネパール、インドネシア、フィリピン、トルコなどで、化粧を使ったワークショップを実施し、女性たちが自信を取り戻し、一歩踏み出すきっかけづくりを行ってきました。しかし、彼女たちが自尊心を取り戻した先に新しい問題が立ちはだかっていました。

目指すは3年間で1千人の雇用

人身売買被害者の少女たちの雇用を生み出す

人身売買被害者の少女たちの雇用を生み出す

 私たちは10年頃からネパールの、特に人身売買の被害にあった少女たちにフォーカスして活動をしていました。その時、彼女たちが精神的にどんなに持ち直したとしても、失業率が40%を超えるネパールで、仕事を見つけることが非常に難しいことを知りました。そこで、職業訓練のサポートなどさまざまな取り組みをしたのですが、結果が結び付きにくく、私たち自身がビジネスを立ち上げて、直接雇用していこうということで、このLalitpurがスタートしました。

 ネパールの世界に誇る資源は、何といっても世界最高峰のヒマラヤ山脈です。この山に生息するハーブは希少性も高く、さらには効能も高いということが科学的にも証明されています。それらのハーブのエッセンシャルオイルを配合したソープや、バスソルト、バームなどの化粧品を作り、その過程において、シェルターで暮らす身寄りのない人身売買被害者などの少女たちに仕事をつくっていくための準備を進めました。

 日本の大手化粧品メーカーからは、30年以上商品開発を行ってきた科学者の方のバックアップをいただき、商品開発を進め、2年間の準備を経て13年にようやく日本での販売をスタートさせました。

「Lalitpur」の製品

オーガニックスキンケア「Lalitpur」の製品

 現在は保湿に優れたベーシックのラインに加えて、2年目の今年は男性向けにメンズラインをスタート。こちらはネパール産オーガニックレモングラスを配合した、頭からつま先まで洗っていただけるTop to Toe Soapが一番人気となっています。ベーシックのラインからはジャタマンシーという、ネパールの高度5千メートルの高さに生息する薬草と、牛乳の14倍の脂質を含みしっとり仕上がるヤクミルクを配合したフェイスソープが人気です。

 商品にあしらわれた紐結びは日本の伝統の飾り結びの「八字結び」。こちらはシェルターに暮らす8歳から26歳の少女25人が担当して制作しています。販売は当社のウェブショップ(www.lalitpur.jp)を中心に、都内では5店舗に卸販売を行っています。今年の12月からは米ニューヨークでの販売をスタートする予定で、現在準備を進めています。

 現在までにネパールでは32人の女性たちが定期的にこの商品作りにかかわってくれていますが、これからの3年で、まずは1千人の直接雇用創出を目指し、ネパールで困難を抱えた女性が未来を明るく生きていける仕組みを作っていきたいと考えています。

 

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