媒体資料
経営者コミュニティ「経済界倶楽部」

起業家発掘の新たなステージへ

金の卵発掘プロジェクト

 将来の日本経済を担う人材の発掘・応援を目的としたビジネスコンテスト「金の卵発掘プロジェクト」の審査委員会が今年も開催される。第4回目を迎える今年は、新たな仕掛けも用意。例年にも増して中身の濃いプロジェクトとなりそうだ。同プロジェクトの歩みと今後の展望について、主催者である佐藤有美・経済界社長(一般財団法人佐藤正忠財団代表理事)が語る。

高い志を持つ起業家に光を当てたい

佐藤有美

佐藤有美(さとう・ゆみ)
経済界代表取締役社長。経済界創業者・故佐藤正忠の長女として事業を継承し、2001年10月、社長に就任。

 「金の卵発掘プロジェクト」をスタートさせた2011年は、私が株式会社経済界の社長に就任してちょうど10年目となる節目の年でした。それまで、さまざまな企業経営者の方々とお付き合いをさせていただく中で、この会社のトップとして何ができるのか、考え抜いた末に生まれた企画でした。

 ご存じのとおり、11年は東日本大震災が発生した激動の年。その混乱が収まりきらぬ中、何か私たちらしい取り組みによって、日本社会に貢献しようと考えました。そして、たどり着いた結論が、「今はまだ無名でも、高い志を持って夢を実現したいと思っている人たちに光を当てていく」ということだったのです。

 あの孫正義さんも、今でこそ世界に知られる実業家となりましたが、無名時代がありました。私の父である弊社主幹の故・佐藤正忠はその時代から孫社長と親交を深め、偉大な経営者になるのを支援してきました。そうした姿を見てきたこともあり、私自身も若い力を育てていけないかと思ったのです。

 金の卵発掘プロジェクトの対象は、まだ全く世間には知られていなくても、将来大きく成長する可能性を秘めた存在です。ここで賞を取ることを、誇りに思ってもらえるような、起業家の登竜門を作りたい。そんな思いからのスタートでした。

 当初はSNSで宣伝したり、若手起業家の会合に頻繁に顔を出して、プロジェクトへの応募者を募ったりといった、地道な作業が続きました。そして、苦労の末開催した第1回目は、ピスチャー(現ライフイズテック)がグランプリを受賞。経営者の水野雄介さんは、金の卵のコンセプトに相応しい方でした。中高生向けにアプリの作り方を教えるキャンプをビジネスとして展開している企業で、その社会性の高さが審査委員からも高い評価を受けたのです。

 実績ができた2年目以降は、多少は楽になると思っていましたが、まだまだ当プロジェクトの知名度は低く、広く世の中に周知するという点でトライが続きました。

 翌年開催の2回目とそれに続く3回目では、グランプリ受賞企業は出ませんでした。審査委員会には、多くの起業家が憧れる素晴らしいメンバーが揃いましたが、そうした方々の厳しい目で見て、グランプリに値する経営者がいなかったからです。主催者としては、残念に思いましたが、本当の意味で起業家の登竜門にするためにも、中途半端に妥協するわけにはいきませんでした。

外部との協力で可能性を広げる

 4回目を迎えた今年は、過去の反省点も踏まえて、いくつかの改善や新たな試みを加えていきます。

 昨年までは企業規模、事業内容などがバラバラな応募者を一括審査していましたが、今年からビジネス部門、社会貢献部門、学生部門に振り分けて審査することになりました。

 この背景には、第2回目のコンテスト審査委員特別賞を受賞したテラモーターズ社のように、ある程度活動実績があって収益性を追求している会社と、社会貢献的な要素が強い会社とでは、別の評価基準を設けるべきという意見が多かったことがあります。

 また、学生部門に関しては、大学生の逆求人イベントを展開しているジースタイラスさんにご協力いただき、多くの学生さんたちの応募が見込めるようになったことがあります。お陰さまで、今年は多くの企業にご協賛いただいています。

 さらに今回からは、審査委員会に個人投資家やベンチャーキャピタル、金融機関の関係者の方々などにも出席していただく予定です。そこで、彼らと有望な応募者をつなぐ流れを生み出していきたいと考えています。金の卵たちと投資家が結び付く場を設けることによって、本格的に若い企業が育つ可能性が高まることを期待しています。

 若い人たちを育てることは、ひいては国力を高めることにもつながります。少子高齢化のわが国は、これから先、ますます少ない人的資源で戦わなければいけません。そんな中、若者たちが飛躍するために、力のある大人たちが少しだけサポートしてあげる。そして、若者たちが輝けるチャンスが広がっていく。そんな動きを加速させたいのです。(談)