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安全問題を懸念し、無人機運用を規制へ 市場の拡大が難航か--経済産業省

霞が関番記者レポート

 政府は「ドローン」などと呼ばれ、映像撮影や農薬散布での利用が増えている無人飛行型ロボット(無人機)の運用について航空法で規制する方針という。現状の航空法では航空機を「人が乗っていること」と定義しており、無人機は規制していない。今後、無人機によるプライバシー侵害や落下の危険性が指摘されており、具体的な運用ルールを整備するという。

 航空法では、ラジコンについては「飛行に影響を及ぼすおそれのある行為」を除けば自由に飛ばせられる。また、撮影などの事業目的で使われる無人機についても具体的な規制はない。空港周辺など航空交通管制圏を除けば地上から250メートルまで、航空路内でも地上から150メートルまでの高さであれば、申請せずに飛ばすことが可能とされる。

 現在は問題が顕在化していないが、将来的には衛星利用測位システム(GPS)と組み合わせた無人機による宅配事業なども予想されている。実際、米インターネット通販最大手のアマゾン・ドット・コムが無人機を使った宅配事業を構想しているという。だが、「このままでは無人機同士の接触事故や部品などの脱落による事故、商品や無人機そのものの盗難が起きる」(政府関係者)と指摘されている。航空法には今後、無人機の可能な飛行空域や高度などが細かく規制される見込みだ。

 ただ、安倍晋三政権は成長戦略の柱のひとつにロボットによる「新たな産業革命」を掲げており、このような無人飛行型ロボットも新市場を拡大するものと期待されている。それだけに「無人機による事業機会を大幅に奪わないよう、ルール作りの配慮はする」(同)ようだが、安全性と事業拡大可能性の両立は難航するとみられる。

 政府は1月、ロボットの開発と利用拡大に向けた戦略を練る「ロボット革命実現会議」で、2019年度までの5カ年の実行計画案を発表する。計画案には、航空法を含め、各種のロボットにかかわる法整備の方向性や論点を盛り込む予定。具体的には、ロボットの遠隔操作に関連する電波法や不正アクセス禁止法の改正、医療現場でのロボット技術導入を促進するための規制緩和など約10項目で、来年度から議論を本格化させるようだ。

 
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