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新国立競技場建設をめぐる迷走 もう2度目の失敗は許されない

スポーツインサイドアウト

新国立をめぐる迷走で責任転嫁する下村文科相

 新国立の事業主体であるJSCは文部科学省所管の独立行政法人である。会社にたとえて言えば文科省の100%子会社だ。幹部職員の多くは文科省からの出向組である。

 そうであるならば、当然のことながら、新国立をめぐる迷走の最大の責任は下村博文文科相に求められる。

 ところがこの下村大臣、責任を他所に転嫁するような発言が相次いだ。

 5月18日には東京都の舛添要一知事に新国立の整備費用として500億円の負担を要請し、物議をかもした。

 これに対する舛添知事の反論は、それなりに筋の通ったものだった。

 〈そもそも、このような国家的大事業の経費負担を、リーダーの口約束などで決めるべきではないし、そのようなことで500億円もの都民の税金を使うことが許されると考えるのは、あまりにも稚拙である〉(現代ビジネス5月19日付)

 舛添知事は〈新国立競技場の責任者はJSC(日本スポーツ振興センター)であり、その監督官庁は文科省であるが、解体までの不手際を見ても、これらの組織が然るべき能力と責任意識を有しているのかどうか、はなはだ疑問である〉(同前)とも述べている。不幸にもそれは的中してしまった。

 問題は、今後のスケジュールだ。下村大臣によると、もう一度コンペをやり直し、約50カ月間かけて20年春の建設を目指すとしている。

 ある建築家は、こう言って首をひねる。

 「どんなデザイン、どの程度の規模かにもよるが、日本には台風や地震のような自然災害が多い。つまり工事がストップする期間も予定に入れると、ぎりぎりになるかもしれない」

 2度目の失敗は許されない。突貫工事で事故が起きれば元も子もない。安全第一は最大の優先事項だ。

 そして前回の失敗を繰り返さないためには、審査の側に建築やスポーツの側の人間ばかりでなく、財務の専門家も入れるべきだろう。

 どんなにデザインが良くても、高コストで工期に間に合わなければ意味がない。それを肝に銘じるべきである。

 
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