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経営者コミュニティ「経済界倶楽部」

レズビアンであることは、全部ではなく個性の一部

同性カップルの支援に動き出す自治体 保坂展人・世田谷区長に聞く

レズビアンにとっての就職とキャリア形成

 

 性的マイノリティーにとっての課題の1つが、就職とキャリア形成。社内で差別されるのではないか、職場でカミングアウトすべきか否かといった悩みを抱える人は多い。

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今津那奈子氏

 ドイツ証券の株式営業統括部でヴァイスプレジデントを務める今津那奈子氏の場合、自身がレズビアンだとはっきり自覚したのはロンドン留学中の20代初めの頃。ドイツ証券で勤務を始めたのは約1年半前のことで、最初に就職先として選んだのも外資系金融機関だった。男性との結婚という選択肢がない自分の将来を考えた時に、しっかりとしたキャリア形成ができる点を会社選びでは考慮したという。

 「実際の業務に関して、レズビアンであるがゆえの壁を特に感じたことはないですね。最初に入った会社で仕事に没頭して、プライベートなことを同僚に話し始めたのは何年かたってから。レズビアンであることは私の全部ではなくて個性の一部。そこばかり強調しなくても良いのかなと思います」と、今津氏は言う。

 ドイツ証券にはLGBTに理解のある社風があり、今津氏は入社後にすぐにカミングアウトして、他のLGBT社員とのネットワークもできたという。福利厚生の面でも、同社では、LGBTの社員が同性パートナーと一緒に住む場合に会社の借り上げ住宅制度を利用できるようにするなど、積極的な取り組みを進めている。ただ、今はほとんどの問題に対して、個別対応となっているのも事実だ。

 「例えば、海外赴任の際のパートナーの引っ越し費用はどうするかとか、細かいことですが結婚のお祝い金が同性カップルには出ないとか、結婚している人が当たり前に使える制度が使えないという部分に関しては、一つひとつの問題をすり合わせしていかなければと思います」

 一方で、まずは「当事者の悩みについて知ってもらうこと」の重要性についても、今津氏は強調する。人事部と交渉するにしても、何に困っているのかを実際に理解してもらえなければ、制度が変わることもないからだ。

 今後、企業社会でLGBTへの理解が進むために何をしていくのかという問いには、「以前と比べれば確実に周囲の理解は進んでいると思うので、LGBTのイベントに参加したり、福利厚生などについて、すり合わせを少しずつ行っていきたい。そうすることで、私たちの感情や考え方を理解してもらいたいと思っています」と言う。

(文=本誌編集長/吉田 浩 写真=佐藤元樹)

 
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