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4~6月期GDPが3期ぶりマイナスも早期の経済対策躊躇――内閣府

霞が関番記者レポート

 3期ぶりのマイナス成長――。

 8月17日に公表された2015年4~6月期の実質国内総生産(GDP)成長率は前期比年率1・6%減だった。消費税増税後の反動減の影響が残る中、天候不順も重なりマイナス成長だった昨年7~9月期以来だ。

 概ね民間シンクタンクが事前予測した内容と同じで、6月に雨など天候不順が続いたことで夏物の衣料や家電の販売が伸び悩んだのは事実だが、「全体的に中身が悪い」(大手証券エコノミスト)と厳しい指摘も挙がる。従来ならこうした状況であれば、経済対策を求める声が政府・与党から上がるはずだが、自民党の谷垣禎一幹事長がわずかに発言した程度で、政府内では「景気は回復基調」(甘利明経済再生担当相)との声が大勢を占める。

 この局面で内閣府が経済対策に踏み切れないその理由は主に2つあると経済官庁のある幹部は解説する。

 ひとつは、20年に基礎的財政収支(PB)の黒字化を目指す財政健全化との兼ね合い。補正予算はPB改善にマイナスとなるため、乱発はできない。また、昨年4月の消費税増税への対応策として13年12月に決定した総額5・5兆円の経済対策と14年12月に決定した総額3・5兆円の経済対策がいずれも景気の押し上げ効果という点で想定ほどでなかったことも、早期の経済対策策定に二の足を踏ませている。

 もうひとつは、消費税再増税のスケジュールとの問題だ。17年4月に消費税を予定どおり上げるのであれば、そのときは確実に経済対策が必要になる。それを想定すると今回の落ち込みに合わせ経済対策を打つことで景気が過熱すれば、2年後に景気が下降線の状態で再増税を迎える危険がある。第2次安倍政権発足直前から景気は回復基調にあったため、17年4月は景気の下降局面に入っている可能性もある。

 アベノミクスの成長戦略や規制緩和の効果が出ていないとの声も上がる中、財政健全化と経済成長を両立させる具体的な政策実現を達成できるのか。その行方が注目される。

 
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