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安倍首相の携帯料金引き下げ検討指示に慌てふためく――総務省

霞が関番記者レポート

 安倍晋三首相が9月11日の経済財政諮問会議で突如、「携帯料金等の家計負担の軽減は大きな課題だ」と述べて、高市早苗総務相に携帯電話料金の引き下げ策を検討するよう指示したことで、総務省は対策に追われている。

 諮問会議後の記者会見で甘利明内閣府特命相によると、総務相は首相の発言を受けて「通信費の家計支出に占める割合は、特にスマートフォン等もあって上昇していることから、低廉に利用できるような方策を検討したい」と返答。菅義偉官房長官もこの方向性を支持したという。

 さらに4日後の閣議後記者会見で高市総務相は、携帯電話の料金引き下げについて、年内をめどに結論を出す意向を表明。会見では「家計に占める通信料の割合が10年間で2割増えている。スマートフォンの普及もあり、携帯電話の通信量の増大が著しい」と現況を説明した。

 甘利特命相は「(携帯料金の件は)前日に初めて分かった」ともらすように、急に盛り込まれたことは明らか。政府と高市総務省の出来レースのようにも思えるが、総務省幹部も「あれは、どういう経緯なのか」と首を傾げるように、諮問会議で急浮上したのが事実のようだ。

 しかし、ちぐはぐな点も垣間見える。高市総務相は会見で「総務省の調査ではスマホのデータ容量は平均で1・9ギガバイト」と話し、現行より少ないデータ容量プランを設定することも検討課題と発言。NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの携帯電話大手3社がいずれも設定していない1ギガバイトの料金プランを暗に求めた。

 しかし、携帯大手は「当社の調査では平均で3ギガバイト程度。1・9ギガバイトは少し低過ぎるようだが」と総務省の意図がみえない様子だ。

 総務省は携帯大手から回線を借りて割安なサービス料金と端末を提供するMVNO(仮想移動体通信事業者)の普及促進に取り組んできたほか、端末の流通を促すSIMロック解除を義務化、途中で解約しにくい契約「2年縛り」の是正などを打ち出しており、首相発言はいわば「総務省の政策に対するダメ出し」(証券アナリスト)にも映る。

 首相は経済対策の効果がなかなか上がらずイライラ気味で、通信費の家計負担を軽減して消費を拡大するには、携帯料金の値下げが欠かせないと判断。新たな引き下げ策を求めたともみられるが、総務省の現場では不可解な“指示”にとまどいつつも「今まで検討してきた中で即効性のある施策を考えればいいのでは」と淡々と検討を始めた。

 
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