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消費税負担軽減策で税制調査会長が更迭。税制改正遂行に暗雲――財務省

霞が関番記者レポート

 “最強官庁”との誉れ高い財務省が揺さぶられている。消費税率10%引き上げ時の負担軽減策をめぐって根回しに失敗したためだ。

 負担軽減策をめぐり財務省の還付案を推し続けた自民党税制調査会の野田毅会長が事実上、更迭。財務省と同じ発想の野田氏の後ろ盾を失い、酒税や配偶者控除の見直しなど来年度税制改正大綱の主要テーマの盛り込みが難しくなっている。安倍晋三首相は10月上旬に自民党の野田毅税制調査会長を交代させ、後任に宮沢洋一前経済産業相を充てた。消費税増税時の軽減税率導入を強く求める公明党との与党協議が難航。野田氏が推した、消費税増税分の一部を後から戻す財務省立案の「還付制度」の実現が極めて困難になり、事実上の更迭とみられている。

 財務省幹部は「野田氏は官邸の意向に従わないケースが散見された」として更迭は「想定の範囲内」と平然を装う。しかし、野田氏は最高顧問に就くとはいえ、後任の宮沢氏は「軽減税率をめぐる与党協議には野田さんは出席しないでほしい」と言い切るなど、税制改正の実権を失ったに等しい。2009年10月から税制改正の議論をほぼ同じ思想で進めてきた野田氏が決定権を失うことで財務省が改正を目指す税制改正の議論にも影響が及ぶのは必至だ。

 野田氏と財務省は来年度税制改正で、麦芽比率などに応じて税額が異なるビール類の酒税の一本化に加えて、女性の働き方に影響を与えているとして配偶者控除の見直し、車体課税の改革などを盛り込もうとしてきた。しかし、来年夏の参院選を控え、新たな自民党税調幹部メンバー内には庶民増税につながりかねない改正に慎重な意見も根強く、財務省も、想定してきた税制改正が行えるか、戦々恐々としている。

 
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