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「官民対話」を開催も設備投資をめぐって政府と企業間にズレ――内閣府

霞が関番記者レポート

 政府は10月16日、安倍晋三首相や経済界トップらが集まる新たな会議「官民対話」の第1回会合を開催した。「経済最優先」を掲げる安倍政権は、名目国内総生産(GDP)600兆円達成のため企業に国内での設備投資を促し、賃金の向上につなげたい狙いがある。ただし、中国経済の減速で輸出が弱いことなどから、企業は設備投資に及び腰。見返りとして法人税減税や規制改革の推進を政府に求めているが、両者のズレを解消するのは簡単ではない。

 「原資がありながら投資しないのは、重大な経営判断の見誤りだ」。甘利明経済再生担当相は16日、官民対話後の記者会見で、こう述べた。

 一応、官民対話では、生産性を高める設備投資を進めていくことで官民が一致した。ただし、参加した日本商工会議所の三村明夫会頭が会合後に「設備投資は企業経営者が個別に考えてやるものだ」と話すなど、政府の「介入」に反発を見せるシーンもみられた。

 政府が苛立ちを強めているのは、企業の設備投資が鈍く、景気回復を足踏みさせているという思いがあるからだ。10月1日発表の日銀短観では企業の設備投資計画が上方修正されたものの、設備投資の先行指標となる機械受注統計は3カ月連続でマイナスになるなどし、「意欲はあるが、実行が伴っていない」(甘利担当相)。

 ただし、企業側にも言い分はある。中国経済の失速で輸出や生産が落ちるなどし、設備投資を拡大しづらいということや、国内市場が縮小しているため、むしろ新興国など海外へ投資を振り向けているということだ。

 「ただでは設備投資を増やせない」と考える産業界は、今後、月1回のペースで行われる官民対話で、「見返り」として、法人実効税率の20%台までの引き下げ前倒しや、各種の規制緩和を求めていく。

 政府もできる限りこたえる考えだが、財政再建とのバランスもあるだけに、100%認めるわけにはいかない。落とし所をさぐる両者の綱引きは、今後、激しくなりそうだ。

 
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