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ドコモの追従で携帯クーリングオフの導入は“執行猶予”に――総務省

霞が関番記者レポート

携帯クーリングオフが現場の混乱を引き起こす懸念

 

 携帯電話などのサービスで消費者保護ルール見直しなどを検討してきた総務省の作業部会は10月19日の最終会合で、携帯電話サービスについて、一定期間内なら自由に解約できるクーリングオフ(初期契約解除制度)の導入を先送りする、事実上の“執行猶予”とした。

 総務省は昨年9月に携帯電話販売で端末を除外してサービスだけを対象にしたクーリングオフの導入方針を固めたが、省令策定に向けた作業部会で自ら方針を撤回した格好だ。

 携帯電話販売へのクーリングオフ導入に対しては、販売店の業界団体や通信事業者が強く反対しているほか、端末とサービスの一体割引が一般化する中でサービスだけのクーリングオフが販売現場で混乱を引き起こす懸念に配慮した模様だ。

 また、携帯電話事業者が、電波状況が悪くてつながりにくい状態の場合、契約後も1週間程度の期間は解約できる仕組みを導入したことで、「一定の消費者保護効果が見込める」(総務省幹部)と判断した。

 会合に出席したNTTドコモの担当者は、「携帯はエリアが命なので、契約の事後でもエリアの問題が解決できなければ、端末も含めて解約できる仕組みを検討する」と発言したことで、クーリングオフ導入見送りが是認された。

 

携帯の消費者保護ルールで問われる公平性と透明性

 

 KDDIとソフトバンクは既に、同様の解約制度を導入していたが、ドコモは契約前に端末を貸し出すお試しサービスだけしか認めておらず、「劣後していた」(総務省)。ドコモが2社に追随したことで、総務省が省令化を先送りできる環境が整ったといえる。

 総務省は昨年9月、携帯電話販売で端末を除くサービスにクーリングオフに近い初期契約解除制度の導入方針を示したが、一方で自主的改善策の効果を注視するとしていた。

 携帯大手3社が事実上、クーリングオフに近い制度を自主的に実施することを担保に消費者保護ルールの見直しを自ら先送りしたわけだが、3社の解約条件はあくまで「電波状況」。説明の分かりにくいサービスや余分なアプリをセットで申し込まされる、いわゆる「レ点商法」の是正にはつながらない。

 安倍首相発言に端を発した携帯料金引き下げ議論も19日からスタート。公平性や透明性など消費者保護ルール見直しの火種はくすぶり続けそうだ。

 
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