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インフラ輸出拡大へ トップセールス実践 石井大臣が売り込み――国土交通省

霞が関番記者レポート

 石井啓一国土交通相が、インフラ輸出に向けた”トップセールス”を活発化させている。共同議長を務めた11月5日の日・ASEAN交通相会合にあわせて各国の運輸相らと精力的な2国間会談を行ったほか、帰国後もすぐに国交省で米運輸長官と会談。局長級の「日米鉄道協力会議」を設けることで合意するなど、一定の成果も出てきている。

 「閣僚レベルで有意義な動きができた」。石井国交相は11月10日の閣議後記者会見で、交通相会合を含めた出張の成果に胸を張った。会合では日本が提案した「質の高い交通」を推進するための行動計画で承認を得たほか、3カ国に及ぶ運輸相会談で「絆を深めた」(石井氏)とした。

 政府は成長戦略で、2010年に年間約10兆円だった海外でのインフラ受注を、20年に3倍の約30兆円に引き上げる目標を掲げる。突破口として6月に改定されたインフラシステム輸出戦略に明記されたのが、「多彩で強力なトップセールス」。石井国交相も就任当初から、「機会があればやりたい」と先兵役を志願していた。

 出張では、日本が働き掛けを強めるマレーシア~シンガポール間の高速鉄道建設を計画する両国の運輸相と会談。間髪入れず8日にも、首都ワシントン~ボルティモアで超電導リニアを検討する米国のフォックス運輸長官のリニア試乗に同行、「米国民に日本の技術を体感してもらいたい」との発言を引き出した。

 ただ、インフラ輸出をめぐっては、アジアインフラ投資銀行(AIIB)を主導する中国も存在感を強めており、今後は競争激化も見込まれる。日本が受注を逃したインドネシア・ジャワ島の高速鉄道計画も、中国側のなりふり構わない条件提示で日本が苦渋をなめた経緯がある。政府関係者は、「トップセールスはあくまで手段の一つ。今回の好感触に気を緩ませることなく、相手国のニーズを踏まえた提案が必要なのは変わりない」と気を引き締めている。

 
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