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訪日客受け入れ拡充都内道路標識を変更多言語表記等を追加――国土交通省

霞が関 番記者レポート

 2020年の東京五輪・パラリンピックまでに、国土交通省と東京都が都内にある国道と都道に設置されている約1万7千万枚の道路標識を外国人にも分かりやすい表記に改める。五輪までに急増が見込まれる訪日外国人旅行者の受け入れ態勢を充実させ、五輪開催中にも人が円滑に移動できることを目指す。

 現行の標識もアルファベットが併記されているが、「Meiji-dori」(明治通り)など、単に日本語の発音をローマ字表記しただけのものが多かった。今回の変更では、「Meiji-dori Ave」にするなど、「通り(Avenue)」であることを明確にしていく。

ピクトグラムに多言語表示を加えたトイレの案内標識

ピクトグラムに多言語表示を加えたトイレの案内標識

 五輪競技会場の周辺やスカイツリーなどの主要観光地付近では、飛行機や電車などの記号で空港や駅を表現する「ピクトグラム」を標識に追加し、視覚的に分かりやすくするほか、主要幹線道路は路線番号も明示する。今年度中に秋葉原や羽田空港周辺などで先行的に着手するとしている。

 日本政府観光局が公表した15年の訪日外国人旅行者数(推計)は1970万人超となり、「2千万人時代」は目前。だが、訪日客需要を貴重な成長分野と位置付ける政府は、さらなる訪日客を呼び込もうと受け入れ態勢の整備を急いでおり、現在も有識者会議での議論が続く。

 その中で改善の必要性が指摘されているのは、観光地や文化財施設における、「外国人に不親切な表示や展示」だ。これまで歴史文化財などは保存に力点が置かれ、多言語表記など外部に見せることを前提にした環境整備がなされていなかった。政府は今回の道路標識変更を、訪日客への意識を全国に植え付ける一里塚と位置付ける。

 ただ訪日客需要の取り込みに対する意識は、地域や観光スポットによっても温度差があり、景観との両立をどうするかといった課題も残る。政府は地方誘客を訪日客数の上積みに向けたカギとしているが、今回の多言語表記の取り組みが地方や道路以外の取り組みに広がるまでには曲折が予想される。

 
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