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インフラ輸出促進へ政府方針を具体化も焼き直し感は否めず――国土交通省

霞が関番記者レポート

 国土交通省は3月下旬、政府が目指す海外インフラ輸出の促進に向けた行動計画を公表した。政府が「インフラシステム輸出戦略」で掲げる項目の国交省関連分野について方針を具体化したもので、国外へのインフラ投資拡大を進める中国などを念頭に、熾烈な受注競争を勝ち抜くための取り組みを盛り込んだ。

 行動計画では、今後3〜4年間に注力する海外プロジェクト約60件について各国・地域別の方針を提示。主要プロジェクトとして、マレーシアの首都クアラルンプール〜シンガポール間を結ぶ高速鉄道計画のほか、インド初の新幹線方式導入が正式決定したムンバイ〜アーメダバード間の高速鉄道計画、米国のワシントンDC〜ボルティモア間の超電導リニア計画などが盛り込まれた。

 取り組みでは、鉄道車両や線路整備などのハード面以外にも、環境対策や人材育成などのソフト面を含んだ包括的支援を前面に押し出す方針を強調。首相をはじめとする効果的なトップセールスを進めるほか、新興国の財政状況を踏まえ、円借款における手続き期間短縮のほか、相手国の政府保証免除などの支援制度を最大限活用するとした。

 ただ全体的な内容は、政府の「インフラ戦略」の域を出ることはなく、踏み込んだ内容を期待した報道陣からは「新プロジェクトなどの記述はないか」などの質問が集中した。だが、事務方の回答は「ほぼ既知の内容です」の一点張り。35ページに及ぶ資料の配布に加え、事務方による記者説明会まで設定される力の入れようだったが、翌日の新聞各紙で大きく扱ったところはなかった。

 政府は2010年に約10兆円だった海外でのインフラ受注を、20年に3倍の約30兆円に引き上げる目標を掲げる。紛れもないアベノミクスの成長戦略の柱のひとつだ。それだけに、今回の行動計画が焼き直し程度の内容に終始したことは、成長戦略の歩みが緩慢であることをかえって印象付ける結果となった。

 
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