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地盤沈下の連合は 復活できるのか

ニュースレポート

 これに呼応する形でコンビニエンスストア大手のローソンが2月に早々と中堅社員を対象に2013年度から年収を約3%引き上げると発表。セブン&アイ・ホールディングスもベアを実施すると表明。3月13日の大手企業の集中回答日ではトヨタ自動車やホンダなど一時金の満額回答が相次いだ。

 ただ、今年の場合、交渉半ばでの要請だったが、今回は労組の要求が出る前の要請である。連合とすれば立つ瀬がない。

 自民党の高村正彦副総裁は9月26日に開いた経団連との会合で、復興特別法人税を1年前倒しで廃止することを念頭に「その分が賃上げに回るという道筋が見えないと国民の理解を得ることが難しい」と米倉弘昌会長に要請した。これに対し米倉氏は前向きに検討するとし、政府主導による「官製春闘」がスタートした。

 「ベースアップ(ベア)も有力な選択肢の1つ」。10月17日に官邸で開かれた2回目の政労使協議に出席した企業トップから、「ベア」容認とも取れる発言が飛び出した。これまでトヨタ自動車やホンダ、日立製作所などの大企業は「業績の上向きは一時金で報いる」と一貫して主張してきた。来春闘では久々の「ベア確保」という文字が躍るかもしれない。

 消費税が上がると、肝心の内需が増えないという懸念が生じる。日本全体の賃金コストは約250兆円。1%の賃上げで約2兆5千億円の所得増加が期待できる。労働人口が減少している現在、賃金が上がらなければ消費が減るのは当たり前の話である。

 日本の失業率もリーマンショック以前の水準に戻りつつある。円安に転じた現在、内部留保がある企業は従業員の士気を高めるためにも下がり続けてきた賃金を反転させるべきだという空気が生まれている。

 しかし、円安・株高の恩恵を受ける大企業と中・小との年収格差はさらに拡大しているのが実態だ。大企業は国際競争力維持のため国内の下請け企業への発注価格引き下げ圧力を強め、これがひいては中小企業で働く労働者の人件費抑制圧力となって跳ね返っている。

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