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JALへの制限解禁を控え公的支援の議論が再燃か――国土交通省

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 ANAホールディングス(HD)傘下の全日本空輸が10月、東京・羽田空港から米東海岸線で初めてとなるニューヨーク行きの直行便を就航させたことで、国土交通省が来年度以降、ANAのライバルである日本航空をどう処遇するか注目が集まっている。国交省はJALに対して新規投資を実質的に制限しているが、来年度以降は解禁するためだ。年度末にかけ、公的支援の在り方をめぐる議論が再燃する可能性もある。

 JALは2010年の経営破綻後、3500億円の出資を受けるなどして再建。12年に株式再上場を果たした。これに対し、自民党政権は「公的支援で公正な競争環境が確保されなくなった」との立場で、国交省は12年8月、JALの中期経営計画期間にあたる16年度まで、新規投資や路線開設を実質制限する内容の指針を公表した。

 潮目が変わったのは、今回の羽田―ニューヨーク路線開設の契機となった2月の日米航空交渉がきっかけだ。国際線の発着枠配分は4枠割り当てられたANAに対し、JALは2枠にとどまった一方で、石井啓一国交相は「競争環境が不適切に歪められている恐れは一定程度、払拭されると思う」と述べ、JALに対する制限解禁を示唆した。

 JALは既に利益水準でANAを上回っており、ANAは来年度以降とみられる制限解禁に戦々恐々だ。10月中旬にはJALがANAと同様、羽田―ニューヨーク便を来年度から運行するとの報道も出た。ニューヨーク便は上級座席を利用する多くのビジネス客需要が見込まれる航空会社にとっての「ドル箱」路線で、JALの収益性をさらに高めるとみられる。

 ただ、石井国交相は報道が明らかになった直後の会見で、「航空会社間の健全な競争を通じて利用者の利便向上を図る」と述べるなど、JALに対する明確な態度表明は避けている。規制解禁は既定路線のはずだけに、逆に歯切れの悪さを印象づけており、報道からは年度末の“波乱”を警戒する声も出ている。

 
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