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経済の持続的成長に向け貯蓄から投資への流れをつくれるか--金融庁

霞が関ウォッチング

 家計の金融資産を投資に。金融庁と財務省が事務局となり11月11日に新たに発足した有識者会議「金融・資本市場活性化有識者会合」。メンバーには伊藤隆俊・東京大学大学院教授や奥正之・三井住友フィナンシャルグループ会長らそうそうたるメンバーが名を連ねている。

 政府は閣議決定した成長戦略に基づき、投資を活性化させるため、設備投資減税の拡充策などに取り組んでいる。政権の経済政策「アベノミクス」への期待などから景気は回復基調にあるが、リスクマネーの供給は今ひとつの状況。そのため、1600兆円といわれる金融資産を投資に動かすことで、実体経済の持続的な成長につなげる狙いがあるようだ。

 初会合では麻生太郎財務相兼金融相が「成長する分野に振り向けないと、アベノミクスの後の日本がよく見えない」とあいさつ。貯蓄から投資への動きを後押しする考えを強調した。

 ただ、貯蓄から投資へという言葉は使われて久しいが進んでいないことも事実だ。今年金融庁の金融審議会で議論が続けられている個人から広く資金を集める小口投資「クラウド・ファンディング」の活用を柱とする新規・成長企業へのリスクマネー供給、来年1月からスタートする少額投資非課税制度(NISA)の導入と制度拡充に向けた2014年度税制改正での議論なども最終的な目的はすべて、成長分野への投資に個人の金融資産の一部が回すことにほかならない。

 有識者会議では、年内をめどに報告書をまとめ、政府の政策に反映させるとしている。ただ、政府内からも「金融庁と財務省の取り組みに温度差がある」と指摘する声や「年末の忙しい時期にたった2カ月間の議論で、具体的な報告書ができるのか」と疑問視する声も少なくない。

 これまでも貯蓄から投資への掛け声のもと、いくつもの政策が行われてきたが、いずれも成功したとは言い難い。金融庁が「金融処分庁」と揶揄される現状から脱し、金融・資本市場の抜本改革を成功させる第一歩になるのか、有識者会議の結論が注目される。

 
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