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株高一服で有望銘柄を見極める力が問われる

東京証券取引所

NISAは投資意欲向上の起爆剤となるか

NISA口座の開設状況 急激な株高に沸いた2013年を経て、今年に入り日経平均株価は1万5千円前後でこう着している。投資家にとってはもどかしい状況となっているが、日本経済が順調にデフレ脱却へと向かえば、今後も「貯蓄から投資へ」と、人々のマインド切り替えが徐々に進むことが予想される。

 個人投資家の裾野拡大に向け期待されるのが、少額投資非課税税度(NISA)だ。年間100万円までの運用枠で5年以内に株式投資や投資信託などで得た利益が非課税となる制度で、今年1月からスタートした。制度のモデルとなったのは英国のIndividual Saving Account(ISA)で、その成功例を踏襲したいという目論見が金融関係者には強くある。証券会社をはじめとする金融機関が、今最も売り込みに力を入れている商品の1つである。

 今年1月1日時点でNISA口座数は、約475万に達した。また、野村証券の調べによれば、NISAの利用状況は、口座を既に開設しているのは全体の38・1%。国内株式保有額別で見た場合、既に開設、またはこれから開設を考えているのは1千万円以上の層が多いという結果が出ている。非課税期間である5年間で上限額の500万円を使い切りたいと考えているのもこの層が多い。

 前掲の稲野和利・日本証券業協会会長のインタビューにもあるとおり、これは金融機関側がまず、NISAに関しては比較的潤沢な金融資産を保有している既存顧客から優先的に営業をかけているためと推測される。年齢層で言えば60代以上が多いとみられ、今後は投資未経験の若年層にいかにアプローチしていくかが証券会社などの課題となってくる。

 NISAのデメリットとしては、一度株式などを売却してしまうと非課税枠の再利用ができない、他の口座で行った投資との損益通算ができない、当初は1人1口座までしか持てず、他の金融機関へ移行ができない、といったことが挙げられる。少なくとも制度が恒久化され、これらの制約がなくなるまで、実際の使い勝手は良いとは言えない。それでも事前の予測より早いペースで普及が進んでいる点を見れば、人々の関心度が高いことがうかがえる。

新規上場も増加傾向に

 今年の株式市場におけるもう1つの注目ポイントは新規上場(IPO)企業の動向だ。詳細は後述するが、昨年のIPO企業数は4年連続の増加となる54件となり、今年はこれを上回ることが予想されている。初値が軒並み公開価格を上回るIPO神話も昨年は復活。今年上場が噂されるLINEやリクルートホールディングス、さらには再上場が期待される西武ホールディングスなど、話題には事欠かない。

 円安の進行などによって、輸出企業を中心に「買えば騰がる」状況だった昨年と比べて、投資家にとって今年は有望銘柄を見極める選球眼が一層問われる年となる。次ページ以降は分野別優良企業の見極めポイントや、有力IPO銘柄について考察していく。

 
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