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燃料の輸入増大や生産拠点の海外移転により国際収支が悪化--財務省

霞が関ウォッチング

 財務省が1月14日に発表した昨年11月の国際収支速報で、モノやサービスに関する海外との取引状況を示す経常収支が5928億円の赤字と、比べられる1985年以来、単月で最大の赤字額を記録した。原子力発電所の停止で燃料の輸入が増えたことや、企業の生産の海外移転が進み、輸出が増えないことが背景にある。経常赤字は国内の貯蓄が不足していることを意味し、政府は規制緩和などを急いで、国内企業の競争力を高める必要がある。

「液化天然ガスや原油の輸入額が、急激に増えた。総合的にエネルギー政策を考えなければ、経常収支に及ぼす影響は大きい」

 麻生太郎財務相は同日の閣議後会見でこう述べ、経常赤字が定着しつつある状況に、懸念を示した。

 経常赤字は、2カ月連続となる。輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支の赤字が続いていることが大きな理由だ。福島第一原発の事故の影響で、原発再稼働がなかなか見通せず、火力発電用の液化天然ガスなどの輸入額が、膨らんでいることが背景にある。この傾向は、昨年2月以降の円安の加速も後押ししている。

 さらに、自動車メーカーなどが、為替変動に対応するため、生産拠点の海外移転を進め、せっかくの円安下でも、製品の輸出が進まないことも理由に挙げられる。アジアからのスマートフォンの流入なども大きい。

 こうした傾向はしばらく続き、「2、3年以内に、年間の経常赤字に転落する」(エコノミスト)と予想する市場関係者もいる。経常赤字は、国内貯蓄の取り崩しを意味するため、「国債を買い支える資金が減って長期金利が上昇し、内需の冷え込みにつながる」との見方も根強い。

 好転させる手段の1つは、企業の競争力を高め、輸出を増やすことだ。そのためには、国際的にみても税率が高い法人税の減税や、役所や業界団体が強く反対する各種の規制の緩和を進めることが求められる。6月にまとめる新成長戦略も見据えながら、安倍晋三政権がどう対策を進めるか注目される。

 
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