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カジノ運営事業への参入に向け布石を打つ「セガサミーホールディングスの野望」

里見治氏 セガサミーホールディングス会長兼社長

セガサミーは韓国との合弁でカジノ運営ノウハウを取得

仁川地区で開業を予定するIR の完成予想図

仁川地区で開業を予定するIR の完成予想図

「法案が通ってくれることを願いながら、本格的に日本でIRをつくるための準備を2014年中にはきちんとやっていく。認可が下りれば即座に工事に取り掛かれるくらいの準備をしていきたい」

 こう語るのはセガサミーホールディングス会長兼社長の里見治氏だ。

 同社は13年7月、カジノ運営、ホテル、スパなどで展開する韓国パラダイスグループとの合弁会社、パラダイスセガサミーを設立、パラダイスグループが韓国の仁川地区で運営するカジノ施設を取得し、そのライセンスを活用してカジノを含む大規模な複合リゾート施設を開発する計画を立てている。

 出資比率はパラダイスグループが55%、セガサミーが45%。セガサミーの出資額は1429億ウォン(約120億円)となる。敷地面積は韓国で最大規模となる32万2千平方㍍で、16年に竣工、17年の開業を予定している。  

 仁川では現在、アジアのハブを目指す仁川国際空港の隣接地に大規模な開発を行うプロジェクトが進行中。建設予定地は空港から約1・1㌔㍍離れた国際業務地域(IBC︲1)となっており、空港からのアクセスも良く、外国人観光客の大幅な増加が見込める。韓国では初のIR施設で、マカオ、シンガポールなどに次ぐ、アジアのカジノ拠点の設立を目指している。

 パラダイスとの提携でセガサミーが目指すのは、何よりもカジノ運営のノウハウを取得することだ。カジノ専用機器の開発・販売会社も13年に立ち上げたが、

「目指すのはやはりカジノ運営に携わっていくこと。機器の販売だけにはとらわれずに進めていきたい」(セガサミー広報担当者)という。

 パチンコ・パチスロ機器事業で展開する同社にとっては、カジノ専用機器の領域でもビジネスチャンスは増えるとみられるが、あくまでも運営に参入することが最大の目的だ。

 提携相手のパラダイスとしても、セガサミーと組むメリットがある。

 現在、韓国のカジノはホテルの中などに単体としての施設はあるものの、他のエンターテインメント要素や国際会議場などを兼ね備えたIR施設はこれまでなかった。そこで、セガサミーの資本力や12年に同社が子会社化した「フェニックス・シーガイア・リゾート」(宮崎県)、ならびに多様なエンターテインメントビジネスのノウハウを活用し、IR施設開発を実現していく狙いだ。

カジノ運営を事業の柱に育てようと目論むセガサミー

 セガサミーは同じく韓国の釜山でも情報・通信・映像・娯楽・国際業務等の機能を備えた複合都市であるセンタムシティでの複合施設開発も手掛け、17年開業を目指す。カジノ施設こそないものの、ここでも大きな目的は、IR施設の開発・運営のノウハウを蓄積することにある。

 こうして着々と布石を打っているセガサミーだが、日本でカジノが解禁された場合、果たして単独で参入するのか、韓国企業との合弁の延長でやるのか、または米国系など他の外資と組むのか、現段階では未定。

 また、東京、大阪といった大都市でのIR建設に懸ける期待は大きいが、当然、シーガイアの設備拡張によって宮崎にカジノをつくる可能性も十分考えられる。ただし、「今のところ当社の立場はあくまでもニュートラル。どこか特定の場所にカジノをつくることを前提に考えているわけではありません」(同)という。

 カジノ法案が国会に提出されたばかりとあって、参入に関しては様子見の企業が多い中、セガサミーが当初から積極的な姿勢を打ち出しているのは、何としてもカジノ運営を将来的な事業の柱に育てたいという意欲の表れだ。

 現在の収益の柱の1つであるパチンコ・パチスロ機器の市場が縮小傾向であることだけでなく、新たな娯楽産業として、幅広い層が対象となるカジノリゾートの可能性を高く評価しているからにほかならない。

 里見会長は、

「統合型リゾート施設がひとつできれば、国内経済に及ぼすシナジーは桁違いになるだろう。それだけで当社グループ全体の売り上げを大きく伸ばしていく事業になるかもしれない一方、テナントも含めるとものすごい数の雇用も生まれるし、そこに入ってくる取引業者も相当なボリュームで増え、国内経済の活性化に大きく貢献すると思う」

 と、期待を込める。

 
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