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「ZOZOTOWN」の前澤友作・スタートトゥデイ社長が語る事業戦略

前澤友作・スタートトゥデイ社長

前澤友作・スタートトゥデイ社長

「ZOZOTOWN」に続くサービスを相次ぎ発表

 国内最大級のファッション通販サイト「ZOZOTOWN」を運営するスタートトゥデイの業績が好調だ。

 2013年10月に発表した2014年3月期の中間決算で商品取扱高では対前年同月比21・5%増の495億円、本業の儲け示す営業利益では同88・3%増の54億円を記録するなどファッション通販サイトではまさに〝一人勝ち〟を印象付けた格好となった。

 さらに業績は10月以降も順調に推移、通期計画として掲げる商品取扱高1084億円、営業利益103億2千万円は余裕でクリアする勢いだ。

 同社の強さの源泉は〝ファッション好きによるファッション好きのためのサイト〟という言葉に集約される。サイト上では利用者の購買意欲を喚起する仕組みが数多く施されるなど、リピーターから絶大な支持を受けている点にある。

 昨年も同社はさまざまな新施策を打ち出した。ファッション通販サイトとして圧倒的な人気を誇るプラットフォーム「ZOZOTOWN」に続く新たなモールとして、10〜20代の女性を意識した新サイト「LA BOO(ラブー)」を立ち上げ、利用者の使いやすさを追求する一方、出店を希望するクリエーターやアパレルブランド・ショップに、開かれた場を提供することを目的とした「ZOZOMARKET(ゾゾマーケット)」(オープンは今年1月15日)など話題を提供した。

 それらの取り組みの中でも業界内外に衝撃を与えたのは10月31日からサービスを開始したスマートフォンの新アプリ「WEAR(ウェア)」である。

 このサービスにはバーコードスキャン機能もある。アプリをダウンロードし、リアル店舗で商品バーコードをスキャンすれば、詳細な商品情報はもちろんコーディネート例までもが簡単に入手でき、「ZOZOTOWN」やブランドの公式ECサイトを通じて購入できるというものだ。

 店頭であれこれ悩むことなく、自宅などでゆっくり商品を吟味できるということは、利用者の利便性という点では、最善のサービスと言える。

 しかし、店舗側からすると店頭売り上げの減少という〝もろ刃の剣〟にもなりかねないことから、現状では状況を静観するブランドは多いのも確か。ただパルコ、ユナイテッドアローズ、アーバンリサーチなど参加企業からは「店頭の売り上げ減少もなく、全体の売り上げの底上げにつながっている」(業界関係者)という指摘も多く、参加企業は増加傾向にある。新しいファッションの購買チャネルとして認知されるのは時間の問題かもしれない。

 これら斬新な施策を繰り出す同社の姿勢は株式市場からも高く評価され、今や時価総額は約2680億円(12月24日現在)と阪急・阪神百貨店の持ち株会社エイチ・ツー・オーリテイリングさえもはるかにしのぐものだ。前澤友作社長に現状を聞いた。 (聞き手/本誌・大和賢治)

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前澤友作社長が分析する業績好調の要因

-- 上期は業績好調でしたが要因は。

前澤 派手な広告やキャンペーンを極力控え、サイトの本質である良い商品を調達し、サイト上での訴求力向上に努めると同時に、注文が入ったらいかに迅速にお客さまの手元に届けるかといったECサイトの基礎体力とも言うべき部分に原点回帰したのが要因だと考えています。

-- 一昨年11月から実施した配送費の無料化によるコスト負担を完全に吸収しましたね。

前澤 広告を打って新規顧客を呼び込むか、配送料を無料にすることで、既存のお客さまに、より多く利用していただくかの選択だと考えています。弊社の現在の戦略は後者にフォーカスしています。利便性の向上により、お客さまの周囲の友人たちへの波及効果に期待しています。弊社のサイトは既に一定の認知は得ていますから、当面、マス広告は抑制するつもりです。

-- 利便性の向上という意味では、昨年10月に竣工した新物流センターへの期待も大きいのではないですか。

前澤 物流センターの規模と売り上げは、単純に比例するわけではありませんが、お客さまへのお届けの日数も確実に短縮できるという点では期待しています。今期中に即日発送が可能になりますが、将来的には、お客さまが注文した当日には、お手元に届くリードタイムを実現できるようにしたい。それらの取り組みは、顧客満足度の向上につながり、結果的には売り上げに寄与することになります。

 

「ZOZOTOWN」とは特色の違うサービスの中身は?

-- 昨年は新しい取り組みに意欲的だった印象があります。

前澤 新しい取り組みは毎年、実施しているのですが、昨年はたまたま大きめなサービスが立て続いたというだけです。特に「WEAR」は個人的にもかなり注力しているサービスです。

-- 「WEAR」はある意味、衝撃的なサービスですね。導入に至った背景についてお聞かせください。

前澤 実施の背景を一言で言うなら、もっとファッションを楽しむお洒落な人が増えればいいという思いからです。

 ファッションの最大の悩みはコーディネートなのです。そういう方々のお助けツールになればよいと考えました。「ZOZOTOWN」のトップページでもコーディネート例をアップしていましたが、これは出店しているショップスタッフさんに限定したものでした。

 その点、「WEAR」では一般のお客さまのコーディネートも閲覧できますし、色や素材、アイテムからもコーディネートを検索できますので利便性は高いと考えております。確かに売り上げという視点も重要ですが、あくまで、多くの方々にファッションを楽しんでいただいた延長線上のものととらえています。

-- ショールーミング化を加速させるサービスであると警戒するブランドもありますね。

前澤 ブランドさまからのウエルカムを頂くことが前提となるビジネスモデルです。ですからわれわれもブランドさまがどんな部分を気にされていて、何をクリアすれば協業関係が成立するのかという点には注視していますし、広くご意見をお聞きしたいと考えています。

-- サービスを開始して2カ月が経過しましたが、具体的に顕在化した意見はありますか。

前澤 導入していただいたブランドさまからは、「『WEAR』が使えることで来店促進に結び付いている。その場でコーディネートのサンプルが見られることで購買意欲の喚起にも寄与している」などの意見が寄せられています。

 当初は、店頭売り上げがウェブに持っていかれるのではないかという懸念も生じたかもしれませんが、実際に蓋を開けてみればシナジーが享受できたというブランドさまは多いです。このサービスはブランドさまにもお客さまにも絶対に有用なものと自信を持っています。今後もブランドさまからご理解を頂く努力は地道に続けていく所存です。

-- 10〜20代の女性をターゲットにしたサイト「LA BOO」を立ち上げました。既存のプラットフォーム「ZOZOTOWN」とカニバリませんか。

前澤 「ZOZOTOWN」のトップページを開くと、どうしても売れているブランドが前面に出てしまい、埋没して目立たなくなってしまうブランドさまも存在します。ですが、その中には上質な商品を作っており、顧客ニーズの高いブランドさまも多いのです。

 そこで「LA BOO」では10〜20代の女性に人気のブランドさまを結集して露出を増やしていきたいという狙いがあります。両サイトを合わせた売り上げは、1サイトだった時に比べ確実に伸びていますからカニバリは生じていませんね。

-- 今後はサイトの新規開設をさらに進めていくのですか。

前澤 現時点では何とも言えませんが、同様のニーズはほかのブランドさまからも出てきていますので、必要に応じて考えていきたいと思います。

 

アパレルの枠を超えた事業戦略を描く前澤友作社長

-- 1月には、すべてのクリエーターやアパレルブランドに開かれた場を提供するという「ゾゾマーケット」をスタートしましたが、その狙いは。

前澤 少人数で運営されているブランドさまから認知度の高いブランドさままで、ありとあらゆるブランドさまを1サイトに集めようという戦略です。簡単な審査はありますが、多くの出店希望者に対応したいと考えています。既に申し込みは5千店を超えるなどニーズの高さを実感しています。

 従来は自社ショップの買い付けで隠れたブランドの発掘に努めていましたが、それだけでは到底、探しきれません。隠れたブランドさまはこだわって商品を作っておられる所が多いのです。1点物に近い手作り商品が「ゾゾマーケット」で購入できるようになれば、併せて弊社のバリューアップにもつながるのではないかと考えています。

-- 今年の課題を挙げるとすれば。

前澤 2カ月前からサービスを開始した「WEAR」も、順調に推移しており、利用者の皆さんから便利だという評価も頂いています。しかしながら、このサービスは目標値を高く設定していますので、参加ブランドさまのさらなる拡大に努める必要があります。まずは、それらの今期に始めたサービスを軌道に乗せ、全体のサービス間で連携をとっていくような形で売り上げ拡大に努めたいです。

 
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