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「顧客との情報共有こそがヒット商品への近道だ」--上條 努 サッポロホールディングス社長

大ヒットした「サッポロ 極ZERO」

 

上條 努・サッポロホールディングス社長

上條 努・サッポロホールディングス社長

-- 定番商品が圧倒的強さを示し、ヒット商品がなかなか生まれない新ジャンル市場で「サッポロ 極ゼロ」が健闘していますね。

上條 販売開始直後から、これまで好調を維持し続けています。店頭を見てみると定番型商品と「極ゼロ」は棲み分けされていると感じます。

-- まだまだ販売数量は伸びると。

上條 ポテンシャルは十分だと考えています。ただ、プリン体・糖質ゼロを謳った機能性商品ですから一般的なビール系飲料とは相いれない部分が生じているのも確かです。そういう意味で、店頭の限られたスペースに定番商品として陳列して頂くには、粘り強くご説明を繰り返さなければならないと考えています。ただ、これまでの販売状況から見ても、この課題をクリアできれば、まだまだ数字を積み増すことは可能と考えています。

-- プリン体ゼロという打ち出しは、尿酸値を気にするビール愛飲者からすると、何にも代えがたい朗報です。

上條 友人からも「こういう商品を待っていたんだ」とよく言われますね(笑)。我慢していた消費者が多かったことを実感しました。開発には4年の歳月を要しましたからヒット商品に育ってホッとしています。日本の消費者の商品を見る目は、世界のどこより厳しいことは周知です。

 ノンアルコールビールのアルコール含有率が「0・00㍉㌘でなければゼロとは言えない」と指摘されたことと同様にプリン体0・00㍉㌘を実現するのは簡単ではありませんでした。

 しかし、課題を克服した時には、絶大な消費者の支持を頂けるということを技術者ともども再認識できたことは良かったと思います。

-- 肝心の売場の拡大に対し一考はあるんですか。

上條 陳列棚の裁量は小売り各社さんの判断なので何とも言えませんが、少なくとも消費者の皆様のご支持は頂けていると考えていますので、ご説明を重ねればご理解頂ける場面も出てくるかと期待しています。

 現状、自社商品とのカニバリも全くありませんので、棚の入れ替えが活発になる春が、ある意味待ち遠しいといったところです。

-- 一方で、心強いのはベトナムのビール販売が好調ということです。

上條 われわれが先行しているベトナムは進出して2年が経過します。ベトナムが有望なビール消費国であったのが大きな要因です。宗教上の問題からアルコールを飲まない国やハードリカーを好むお国柄が東南アジアには多い中にあって、ベトナムだけが例外的にビールを最も好んで飲む文化が根付いています。また著しい経済発展と若年層が多い人口構成が相まって販売状況は好調を維持しています。人口のボリュームゾーンは二十歳ですから将来的に見ても有望市場です。

-- 自ら開拓してきた北米も健闘していますね。

上條 先輩諸氏とともに食文化の啓蒙やスリーマン社の買収等を含め種を蒔いてきたことがようやく花開いた感があります。オンタリオ州、ケベック州等では世界の全ブランドを抑え、サッポロブランドの販売数は輸入ビールのナンバー1ではないでしょうか。立ち寄った店でサッポロビールがメニューに普通に書いてあることは何よりも嬉しいですね。

 

「サッポロビールらしさ」を感じさせる取り組み

 

-- 昨年から実施している「ビール検定」は多くの受験者を集めましたね。

上條 当社は、従来競争相手ばかり見て、飲んで下さる方に情報を発信すること、例えば、ビールは明るく楽しく飲んで頂くものであり、なおかつ、自然の恵みしか原料に使用していない、素晴らしい商品であることを理解して頂く努力が足りなかったかもしれない。そういう意味で、受験される皆様がより増えることはわれわれにとって有難いことです。

 ビール愛飲者の顧客層のボリュームゾーンは40〜50代ですが、受験者は女性や若年層が多かったのは想定外でした。ただ個々の商品を売るというのではなく、広くビール自体を知ってもらうことの重要性も痛感しました。

-- 「フェイスブック」を通じて、オリジナルビールの開発を消費者に呼びかけ大反響がありましたね。

上條 2回目になりましたが、熱心に参加いただける方の多さに驚きました。そこで開発されたのが「100人のキセキ」です。通販の限定商品ではありますが、プロが考え付かないアイディアが織り込まれた商品となっています。何はともあれビールを知って頂く楽しみを広げていただく機会はビール会社の使命であることを実感しました。

-- それらの取り組みを見るにつけサッポロビールらしさを感じます。シェア争いばかりが注目され、押し付け型の商品が横行する中では新鮮に感じますね。

上條 〝コトモノ消費〟の具現化は、今後の成長戦略を策定する上で、重要な位置を占めて行くと考えています。消費者参加型の取り組みは違う形でも実施したいと考えています。「極ゼロ」のヒットに加え、主力製品の「ヱビス」のテコ入れ策も成果が現れてきました。

 年末商戦たけなわですが、ラストスパートで気を抜いたら元も子もありませんので、集中力をもって臨みます。

 
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