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MVNO向け回線接続料引き下げで値引き競争が激化の懸念--総務省

霞が関番記者レポート

 総務省が携帯電話事業者のMVNO(仮想移動体通信事業者)向け回線貸し出し料金(接続料)を大幅に引き下げる方針を決めたことで、MVNO業界がにわかに動き出した。MVNOが提供するスマートフォン向けの割安な高速データ通信サービスで、回線接続料引き下げを先取りするかのような値引き競争が激しくなってきた。
 MVNOが提供するデータ通信サービスは、携帯電話事業者やMVNOを自由に選べる「SIMフリー」の端末向けに、自社のサービスを利用できるSIMカードを販売。利用者はMVNOと接続しているNTTドコモなど大手携帯電話事業者のネットワーク環境で割安のサービスを利用できる仕組みだ。
 4月に入って、NTTコミュニケーションズが月額料金を値下げしたのに対抗し、インターネットイニシアティブ(IIJ)も同じ料金で利用できるデータ通信容量を2倍にした。ビッグローブ、日本通信など有力MVNO各社が価格引き下げやサービス強化を競っており、SIMカードで提供されるMVNOのデータ通信サービスは、家電量販店がSIMフリー端末の売り場を設けたことなどで人気に火が付いた。契約数が2013年3月に5万件程度だったIIJの個人向けサービスは、12月に約12万件に増加。今年に入っても毎月1万件前後のペースで増え、3月中に前年同月比3倍超の15万件を突破する見通し。大手携帯電話事業者のスマホ利用料金が割高だという利用者の不満の声に応える形で契約を伸ばしているようだ。
 MVNO向け接続料はデータ量が増えれば単価が下がる仕組み。総務省はここ数年のデータ通信量の急拡大を受けて、前年度の通信実績に基づいて計算していた接続料を当年度の実績を遡って反映するように指針を改定。それにより、MVNOが携帯各社に支払う接続料は従来の半額程度に下げる見通しだ。
 総務省としては、MVNOの低価格サービスの普及が携帯各社のスマホ利用料金の引き下げ圧力になることを期待しているが、早くも料金競争に突入したMVNOの動きに「事業者の淘汰にならなければいいが」(同省幹部)と危惧している。

 
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