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消費税増税の下請け価格への転嫁により景気の息切れに懸念--経済産業省

霞が関番記者レポート

 経済産業省、中小企業庁が消費税率引き上げを、下請け価格に反映する転嫁対策に神経をとがらせている。公正取引員会とともに全国に「Gメン」と呼ばれる調査官約600人を配置し、増税が決定した昨年10月から5カ月で850社以上で「買いたたき」などの違反行為を指導。同庁は「景気回復の実感を中小企業にまで届ける」と意気込むが、経済政策「アベノミクス」の息切れに懸念が膨らんでいる。

 「(駆け込み需要の)反動減を緩和し、早く成長軌道に乗せることが重要だ」。茂木敏充経産相は増税が始まった4月1日の会見でこう強調した。

 政府は消費増税対策として2013年度の補正予算として5・5兆円を計上する中、経産省が注力するのが転嫁対策だ。Gメンによる各地への出張相談や、小売業への抜き打ち訪問などを実施。大企業が建設業者に「内装工事の見積もりはこの書面に記して持ってきてください」と消費税込みの総額記入の見積書を提示するだけでも、違反事例とするなど厳しい態度で臨んでいる。

 背景にはアベノミクスの効果波及にブレーキをかけたくないという思いがある。茂木経産相は「景気回復の実感を全国津々浦々に届ける」と訴えているが、実際は「業績改善の緒に就いたばかりの中小企業に増税のしわ寄せがいけば、景気が腰折れしかねない」(同庁)ためだ。

 肝心のアベノミクスの「3本の矢」は財政出動や金融緩和などの効果を出し尽くし、景気は足踏み状態が続いている。反動減による景気の落ち込みを脱しても、中小・零細企業にまで及ぶ経済成長の勢いを復活させることができるかどうかは微妙になりつつある。

 転嫁対策の真価を発揮するためにも、経済政策の旗振り役である経産省には「次の一手」が待ち望まれる。

 
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