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輸出予測読み違えの背景に産業構造変化海外生産移転が加速--内閣府

霞が関番記者レポート

 官庁エコノミスト集団、内閣府の「輸出」をめぐる〝読み〟が外れまくっている。昨年初旬、日銀の異次元の金融緩和で進んだ円安を背景に、甘利明経済再生担当相は「輸出は(昨年)夏頃に回復する」と予測。しかし2013年度の輸出数量は0・6%増と回復にはほど遠く、輸出から輸入を差し引いた貿易収支は過去最大の10兆円を超える赤字に転落した。読み違えの背景にあるのが企業の海外生産移転の加速だ。

 13年度の円の対ドル相場は前年度より21%も安くなった。円安は当初は原材料などの輸入品価格を直撃するが、内閣府では半年から1年後に輸出の回復につながる「Jカーブ」効果を予測していた。しかし、予測とは裏腹に輸出は伸び悩み13年度の貿易収支は13兆7488億円と最大の赤字に転落した。なぜ、内閣府は読み違えたのか。

 その背景にあるのが産業構造の変化だ。電機メーカーを中心とする日本の製造業は一昨年末まで続いた歴史的な円高局面で生産の海外移転を加速。その結果、薄型テレビやスマートフォン(高機能携帯電話)などの家電は円安局面でも輸出が増えず、むしろ輸入が増える構図となった。実際、音響映像機器の13年度のアジアからの輸入額は14%超伸びる一方、輸出は13・5%のマイナスだった。

 内閣府では海外景気の持ち直しを背景に輸出は今後改善するとみている。しかし、ホンダは主力の小型車「フィット」の生産の一部を2月にメキシコへ移し、日立製作所も3月に同国で自動車部品の工場を新設するなど、円安下でも製造業の海外生産移転に歯止めがかからない。アベノミクスの成功には輸出の回復が不可欠で、内閣府の輸出予測がいつ当たるのかに、政府関係者は気を揉んでいる。

 
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