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日本郵政株式売却の議論開始も金融2社の処遇はまだ棚上げ--財務省

霞が関番記者レポート

麻生太郎財務相

麻生太郎財務相

 財務相の諮問機関・財政制度等審議会が4月14日、日本郵政の株式売却の手続きをめぐる議論を始めた。売却収入は東日本大震災の復興財源に充てる予定で、早ければ2015年春の上場を目指す。日本郵政公社が解散して民営化を実現し7年で、ようやく上場に向けた手続きが本格化する。ただ、最大の焦点であるゆうちょ銀行、かんぽ生命保険の金融2社の議論は見送られており、見切り発車の感は否めない。

 「われわれがこうしてほしいという意見を言える段階ではない」。麻生太郎財務相は15日の閣議後会見で、郵政株売却に関し、こう語るにとどめた。一方、菅義偉官房長官は14日の会見で、「できるだけ早く売却し、売却収入益が大きくなることを期待している」と述べた。

 審議会の当面の主要議題は主幹事を選ぶことで、6月に答申をまとめ、秋にも決める。市場では、日本郵政の上場アドバイザーを務めている野村証券などが有力とみる下馬評も出ている。

菅義偉官房長官

菅義偉官房長官

西室泰三

西室泰三・日本郵政社長(Photo:時事)

 郵政株は国が100%保有しており、昨年末時点で総額12兆4千億円。法律で政府の保有比率を3分の1超としているため、残り3分の2を売り、4兆円程度を復興財源に充てる。売却時期について、日本郵政の西室泰三社長は「来年春までに上場の準備を完了する」としている。

 だが、課題もある。ゆうちょ銀、かんぽ生命の扱いが決まらず、郵政グループとしての成長戦略が描きにくいことだ。

 グループの収益は、大半をこの金融子会社2社が稼いでいるが、過半の株式を持ち株会社の日本郵政が有し、新規業務には国の認可が必要で、自由な収益拡大策を描けない。「民業圧迫」批判も常にある。しかも、12年に成立した改正郵政民営化法は、金融2社の株式について「できる限り早期に処分する」とのみ記し、具体的な時期を決めていない。扱いが不安定なままなら、投資家から敬遠され、政府による売り出し価格の決定にも悪影響を及ぼして、想定の復興財源を得られなくなる恐れもある。

 

 

 

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