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日欧のEPA交渉が本格化も車・ワインでの駆け引きが激化--経済産業省

霞が関番記者レポート

安倍晋三首相

安倍晋三首相

 日本と欧州連合(EU)の経済連携協定(EPA)交渉が本格化している。昨年4月の交渉開始から1年余りが経過し、焦点の自動車やワインの関税撤廃・引き下げで駆け引きが激化。経済産業省内には自動車関税の撤廃などで4月に大筋合意したオーストラリアとのEPA交渉に続く「得点」になると期待が大きいが、思わぬ課題も浮上している。

 安倍晋三首相は5月7日、EUのファンロンパイ大統領との定期首脳協議で、EPA交渉の早期締結を確認した。安倍首相は「2015年中の大筋合意」を呼び掛け、EUが交渉継続の可否を判断する検証作業に入るのを前に意欲的な姿勢をアピールした。

 交渉では、これまで5回の会合を実施。4月の前回会合では双方が関税撤廃・削減する品目のリスト(オファー)を交換するなど順調に進んでいる。

 中でも経産省が重視するのは、EUの乗用車(関税率10%)や自動車部品(3〜4・5%)の関税撤廃だ。ライバルの韓国は既にEUとのFTA(自由貿易協定)で16年までにいずれも撤廃が決まっており、省内には「韓国企業に欧州市場で価格競争力に差を付けられる」(通商筋)との危機感が強い。

 EUは、日本車の輸入が急増した際に関税を引き上げる「緊急輸入制限(セーフガード)」の導入を条件に関税撤廃には柔軟とみられるが、引き換えに主要輸出品のワインやチーズなどの市場開放を要求。日本はEU産ワインへの関税(輸入価格の15%か、1リットル当たり125円)を7年かけてなくす譲歩案を検討しているが、EUは即時撤廃を主張している。

 ただ、経産省幹部は、「EUが最も重視するのは関税撤廃ではなく、日本のJR各社の機材調達」と指摘する。EUのドイツやフランスには主要鉄道メーカーがあり、JR各社の調達情報の透明化を強く要請しているという。このため国土交通省などを通じてJR各社への働き掛けを続けているが、省内には「一部事業者が難色を示している」(同)と交渉の進展に水を差しかねないとの懸念が強まっている。

 
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