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「夢と感動を継承する大会を開催し、 日本の活性化を期待」--竹田恆和(日本オリンピック委員会会長)

 2回目となる東京でのオリンピック開催は、国民が共有できる目標が設定されたことで、世の中を明るくするきっかけとなることが期待されている。また、対外的には将来のモデルケースとなるような大会としての期待もある。自身も馬術競技のオリンピック選手だった竹田恆和・日本オリンピック委員会(JOC)会長に、2回目の東京オリンピックの展望を聞いた。

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オリンピックの原点に戻る大会の開催を目指す

 今回のオリンピック招致は前回と大きく違ったところがいくつかあります。ひとつは政府、国会、経済界、スポーツ界、それから日本中に組織を持つ各界の方々を含めたオールジャパン体制で招致をバックアップしていただいたことです。そのお陰で、一番心配していた支持率も上がり、国際オリンピック委員会(IOC)に対して、東京がオールジャパンで招致を本気で考えているという印象を与える後押しになりました。

 また、前回2016年の招致で敗れた時の反省や経験が生かされ、内容をブラッシュアップした良い計画が作れたと思います。クオリティーの非常に高い内容で、今後のモデルになるような計画になったと思います。

 日本はこれまでオリンピックムーブメントに非常に貢献してきた国だと思います。夏季1回、冬季2回のオリンピックを開催し、今度の東京で4回目になります。4回のオリンピックを開催するのは、米国に次ぐ多さです。2回目となる今度の東京では、華美な大会ではなく、原点に戻ってオリンピックムーブメントを大切にした、将来のモデルケースになるような大会を開催したいと思います。

 オリンピックは、あくまで選手のためのものです。選手を優先した、アスリートファーストのオリンピックを開催するべきです。鍛えられた選手たちが素晴らしいパフォーマンスを披露し、記録を塗り替え、それを世界中の人が見て感動する場にしなければいけない。ですから、いたずらに華美にするのではなく、スポーツを通じた世界平和や相互理解などが育める場にしていくべきです。これから初めて開催する都市もありますが、今後はオリンピック精神の原点に戻る開催が求められていくのではないかと思います。

 東京に関して言えば、東京はクリエイティブでテクノロジーに優れた都市です。こういった都市で開催できることは今までにない初めてのケースになると思います。日本は観光立国と言われながら、外国人観光客がまだ年間650万人ほどで、他国と比べ、アジアの中でも少ない。オリンピックが来ることによって、7年間、世界中から東京が注目されて、その中で日本の文化・伝統、あるいはクリエイティブ、テクノロジーを世界に発信し、日本の良さを知ってもらう良い機会になるのではないかと思います。そういう意味でも、観光立国を実現するきっかけになると期待しています。

日本のスポーツ振興を促進し社会貢献につなげる

 今後の課題として、オリンピックを成功させるためには、自国の選手の活躍は不可欠です。立派な施設を造って開催しても、自国の選手が活躍しなければ、オリンピックは盛り上がりません。多くの子どもたちに夢を与えて、感激をいかに伝えていくかが大事ですが、そのためには日本選手がオリンピックで良い成績を上げることが必要です。ですから、今の若い世代、中学生や高校生の選手を強化していくことが非常に重要で、そのためのプログラムも既に始めています。

 また、2年前にスポーツ基本法が制定されて、国が日本のスポーツの振興と国際競技力の向上を担っていくことになりました。その先にはスポーツ庁を立ち上げる動きもあります。国がそれだけスポーツに力を入れ、オリンピックだけでなくパラリンピックも含め、大会の成功と選手の強化に力をいれることは、われわれも大いに期待しています。

 オリンピックが来ることによって、国民が1つの方向に向かい、みんなで努力していくことは非常に素晴らしいことです。特に今の日本にはそういうものが必要ではないかと思います。

 1964年の東京オリンピックの時、私は高校2年生でしたが、この世界最大のスポーツの祭典が成功し、日本の選手が大活躍したことに、日本人としての誇りと自信を抱いたことを今でも覚えていますし、大きな夢と感動も与えてもらいました。私もあの舞台に立ちたいと思い、オリンピックを目指した1人ですが、そういう夢を持って、多くの人がチャレンジすることは非常に素晴らしいことです。当時のわれわれの想いを次の世代の若者に伝え同じ経験をしてもらいたいというのが私たちの気持ちです。これからの時代を背負う若者がスポーツの素晴らしさ、あるいはオリンピックの価値を受け継いでいけるような大会を開催したいです。

 施設の面で言えば、64年の東京オリンピックの時に使われていた施設が、今はもう国際競技連盟の規格に合わなくなり、サッカーのワールドカップや世界陸上で国立競技場が使えませんでした。あれだけ日本人に夢と感動を与えてくれた施設が、今はもう時代にそぐわないわけです。そういう施設の改善は、やはりオリンピックが来るようなことでもないと、なかなか改善できません。今回のオリンピックに合わせた改修で、これから半世紀、その夢の舞台が残っていくことは素晴らしいことだと思いますし、日本のスポーツ振興そして競技力の向上につながっていくことは間違いありません。また、医療費の問題にしても、少子高齢化を迎える中で、人々が永くスポーツを楽しむことによって健康を保つといった形での社会貢献を期待しています。

 オリンピックが来ることによって、世の中が明るく元気になると思います。日本がもっと活性化していく起爆剤になってもらいたいし、そうなることを期待します。 (談)

 

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